タンパク質を構成するアミノ酸は22種類なの?

自然界にあるアミノ酸は何百種類も存在しますが、その中で、タンパク質を合成する際に使われるもの、という条件をつけると、それはごく限られた種類のアミノ酸しかありません。

人間のタンパク質合成に使われるアミノ酸の種類は限られており、通常は

「20種類」

と言われます。

でも、22種類だという人もいます

必須アミノ酸=9種類

食事から摂取されたタンパク質はいったん「アミノ酸(一部はペプチド)」の形まで分解されます。

いわば人間は、自分のために用いるタンパク質を、すべて体内であらためて合成するのです。

ところが、人間が体内で必要なタンパク質を作る上で絶対必要なのに、体内では生み出すことができず、必ず食事などで外部から取り入れなければならないアミノ酸が存在します。これを

「必須アミノ酸」

と言うわけです。必須アミノ酸は

「9種類」

あります。

① リジン(リシン)
② フェニルアラニン
③ イソロイシン
④ トリプトファン
⑤ トレオニン
⑥ バリン
⑦ ロイシン
⑧ メチオニン
⑨ ヒスチジン

ちなみに、⑨の「ヒスチジン」は大人になると体内で作られるようになりますが、子供の内はそれができません。そのため、必須アミノ酸に属しています。

非必須アミノ酸=11種類

次に、タンパク質のもととなるアミノ酸のうち、必須アミノ酸ではないもの、つまり他の成分などから体が自力で作り出すことができるものを非必須アミノ酸と呼びます。これが11種類あって、

⑩ アルギニン
⑪ システイン
⑫ グルタミン
⑬ グリジン(リシン)
⑫ アラニン
⑬ セリン
⑭ プロリン
⑮ チロシン
⑯ アスパラギン
⑰ アスパラギン酸
⑱ グルタミン酸

です。

念のため言いますが、体内で作ることができるからといって、外部から摂取してはいけないというわけではありません。食事などから摂取できればその分、体内でわざわざそれ以上作らなくてもいいわけで、つまり、非必須アミノ酸というのはいわば必要に応じて自分でその量を調節できるアミノ酸です。

逆に言うと、自分で作れるとはいえ不足しがちならば食事からもとったほうがいいわけです。

中には遺伝や疾患など特定の状況下では不足してしまうものもあるので、アルギニン、ロイシン、チロシンは「条件付き必須アミノ酸」あるいは「後天性不可欠アミノ酸」と呼んで区別するべきとする意見もあります。

また、そもそも必須アミノ酸と非必須アミノ酸という区別の仕方に問題があるという意見や、最近は「チロシン」は化学的に必須か非必須かに厳密に区別できないという研究などもあり、実は細かい区別については現在も議論があるのです。

以上、タンパク質を構成するアミノ酸は20種類でした。

……?

え? ……まだあるの?

タンパク質を合成するアミノ酸は22種類説……だと?

以上の20種類のアミノ酸については研究が進んでおり性質や効果もかなり解明されています。

ところが、実は他にも「タンパク質を構成するアミノ酸」の存在が発見されるようになったのです。

21番目のアミノ酸

21番目のアミノ酸として、通常の結合ではなく特殊な結びつき方をしてたんぱく質に組み込まれる場合がある「セレノシステイン」というアミノ酸があります。

セレノシステインは酸化または還元に関与する一部の酵素を作る「セレノプロテイン」の中に存在するアミノ酸で、セレンという元素を持ちます。

セレンという元素はビタミンEあるいはビタミンCと作用してガンの原因とも言われる活性酸素などのフリーラジカルを抑制する作用を持つと考えられ、注目される物質です。

22番目のアミノ酸

また、22番目のアミノ酸として、新たに発見された「ピロリジン」というアミノ酸も存在します。といっても、ピロリジンはまだ、特定の細菌などがタンパク質の合成に用いていることが確認された、という程度のことしか分かっていません。

今後、たとえば人体に有効な機能を持つかどうか、有効な成分を作るために応用できるかといった研究が進められることでしょう。

これらを加えて考えるならば、

「タンパク質を構成するアミノ酸は22種類」

とも言えます。

……さらに、今後さらに研究が進むと、また別の新しい「タンパク質を合成できるアミノ酸」が発見される、あるいは人工的に開発される可能性もあります。

そもそも論で言うと、たんぱく質というもの自体が、その発生から今に至るまでの進化の過程でどんどん複雑化し、そのパターンを増やしてきたものだとも考えられます。

ですから当然その要素となるアミノ酸自体も、未来のいつかには変化するかもしれないし新種ができるかもしれないし……あるいは、DNAの研究や遺伝子組み換え技術などの発達によって、新たに作られるかもしれません。

それを踏まえて言うと、タンパク質を構成するアミノ酸は、

「今のところ……22種類くらいかな?」

と言ったほうが、なんだか夢があるような気もしますね。すでに23番目、24番目のアミノ酸を発見したという話もあるにはあるようです。