食後の血圧は上がる?下がる?何を意識するべき?

ごく基本的に考えれば食後は、血圧は下がる傾向があります。

なぜなら、ふつうは食後すぐには活動せず、少しの間ゆっくりするからです。

ゆったりと食事の余韻を楽しんでいる間は、副交感神経が優位になるはずです。副交感神経が優位のとき、血流はゆったりし、血管も広がっています。

と言っても、これは食事をしたことによって起こっているのか?

それとも結果的にそうなるのか?

食後は消化のため血液が胃や腸に回されますから、その分血圧や心拍数を上げることで調整することになります。

なので、理屈で考えると、むしろ体内でそのような変化が起きているから、食後すぐには動きたくなくて、少しゆっくりしたくなるのかもしれません。

で、ゆっくりしようと思うから結果的に副交感神経が優位になると……順番としてはそう考えるべきかもしれません。

食事中はふつう血圧は上がる

勘違いしやすいのは、食事をすること自体が血圧を下げているわけではないということです。

むしろ、食事の前、あるいは食事をしている最中は血圧が上がります。

空腹になってくると、そもそも人間はイライラしやすいですし、食事をとることに備えて内臓などは活発になろうとします。

これは一種の緊張状態です。

また、食事をするというのも人間にとってひとつの活動なので、活動するためには交感神経優位になります。

ですから、もし

「食後には血圧が下がる」

と言ってもそれは食事前、あるいは食事中にいったん上がった血圧が下がる方向に変わったというだけで、たとえば平均血圧が下がったとか、高血圧が改善されるということとは関係ありません。

これは単に、一日の中での生活リズムとして、血圧が上下しているという話にすぎません。

食後に血圧が上がってしまう場合

食後は、血液全体のうち、多くの部分が食物の吸収消化のために働きます。

ということは他の部分へ回される血流は比較的少なくなっています。

そこで、ふつう健康な人の場合は自律神経による調整が働くのですが、それが上手くいかない場合には、食事によって上がった血圧がうまく戻らないという現象が起きることがあり得ます。

理由としては、ひとつにはもちろん自律神経の働きに問題がある場合です。

自律神経に支障をきたす原因としては、もちろん遺伝や体質の問題もあります。

しかし、精神的な面から起こる自律神経の失調もあり得ます。

食事に関して考えるなら、食事の内容や食べ方、あるいは食事を取り巻く環境などが原因で、自律神経がまいっているという場合も考えられます。

あるいは、血圧のみを考えるならば、たとえば

「仕事や作業の合間に、あわてて食事をとる」

「食べたら休む間もなくすぐに仕事に戻らなければならない」

とか、または

「食事の後に、重要な案件があって、気が休まらない」

「そもそも職場や仕事が嫌で、食事の時間だけが唯一の息抜き」

とか。

そういう状況下では、そもそも精神的な緊張やストレスのほうが勝ってしまうので、血圧は上がることはあっても下がりようがないわけです。

このような精神面や環境面での原因を取り除くべきかもしれません。

動脈硬化による問題

より深刻なのは、動脈硬化が進んだことによって血圧の調整が不十分になっている場合です。

そもそも動脈硬化によって血管の収縮、拡張が十分に機能しなくなっているとしたら、いくら自律神経が良好でも血圧のコントロールは不完全になります。

あるいは、消化、吸収のために用いられる血液の循環を確保することや、他の器官への血流を保つことのために、動脈硬化がある場合には体は通常より余計に心拍数と血圧を上げて対応せざるを得ないのです。

ですから、仮に食後の血圧について考える場合には

精神面や、環境面から来ている問題

自律神経の失調や機能低下から来ている問題

動脈硬化や心臓その他の臓器の異常から来ている問題

など、原因をそれぞれに分けて考えることが必要です。

食後低血圧

先ほども言いましたが、食後は消化のため血液が胃や腸に集まります。

健康な人は、それを血圧や心拍数を調整することで調整します。

ところがこの調節がうまくいかなくなると、血圧が限度を超えて下がり続けてしまう

「食後低血圧」

という症状を起こす場合もあります。

食後低血圧になった人は、しばしば食事の後にめまい、吐き気、あるいは我慢できないほどの強い眠気に襲われることがあります。

自分が高血圧だと思っている人は、

「食後低血圧」

と言うんだから、少なくとも血圧は低くなっているんだから、いいじゃないか。むしろ羨ましいなあ……と思うかもしれませんが、もちろんそんなことではありません。

むしろ、これは血圧の自然な調整ができなくなっている結果起こっているわけです。

大きな原因としては自律神経の機能の低下、それに血管自体の調整機能の低下、つまり動脈硬化の症状である場合が考えられ、生活習慣病の症状あるいは前兆である可能性が高いのです。