アミノ酸とタンパク質の違い

タンパク質というのは、家庭科の時間に学習したように人間に必要な「5大栄養素」のひとつです(近年は「食物繊維」を加えて6大栄養素とも言うようです)。

一方で、最近よく耳にする「アミノ酸」は主に健康食品とか栄養強化食品の広告などで見たり聞いたりすることが多いです。

健康を意識し始めるまで、私はタンパク質とアミノ酸は、ぜんぜん違う栄養だと思っていました。

タンパク質とアミノ酸とは、どういう関係にあるのでしょうか?

その違いは何でしょうか?

タンパク質とは、アミノ酸の集合体

端的に言うと

「タンパク質というのは、アミノ酸が集まってできているもの」

です。逆に言うと、

「アミノ酸がたくさん結び付いて、たんぱく質を作る」

ということですね。

つまり、アミノ酸というのは、たんぱく質を作る主要な材料というわけです。

だから、言いようによっては、アミノ酸とタンパク質は、要するには同じものだと言っても必ずしも間違いじゃありません。

タンパク質→アミノ酸→タンパク質

5大栄養素のうち、タンパク質は

「体をつくる栄養素」

だと教えられたのを覚えている方も多いと思います。

人間だけではありません。他の魚や動物も同じ。だから肉や魚はタンパク質を持っています。

私たちが肉や魚などを食べると、その中に含まれている「タンパク質」を体内に取り込みます。だから、肉や魚などは「たんぱく源」と呼ばれます。

ところが、食事として取り込んだタンパク質は、そのまま私たちの筋肉とかになるわけではありません。私たちが食べたタンパク質は、いったんバラバラにされます。

つまり、一度消化分解されて「アミノ酸」の形まで分解されるわけです。

体は、そうしておいてから、あらためてそのバラバラのアミノ酸を、体に必要ないろいろな形のタンパク質に組み立て直してから使うわけです。

また、体の中でいったん合成されたタンパク質も、使われていくうちに再度アミノ酸に戻されてまた別のタンパク質の材料として使われたりもします。

最終的には分解されて、尿になって排出されます。だからまた「たんぱく源」を私たちは食べる必要があります。

……っていう、今のはごく大ざっぱな説明です。

ですが、これでまあ一応、たんぱく質とアミノ酸についての、言葉上の違いは説明できました。

アミノ酸の種類と、たんぱく質の種類

もう少し詳しく説明します。

アミノ酸というのは、ただ一種類のものではありません。

そして、タンパク質というのも、ただひとつの物質というわけではなくて、たくさんの形があります。

人間の体にとって必要な……といった条件を付けなければ、この世にアミノ酸というもの自体は500種類くらい見つかっています。

一方のタンパク質もまたたくさんの種類があります。人間の体内に存在するたんぱく質の種類は、なんと10万種類と言われています。

ところが、その無数のパターンのタンパク質を作るために使われているアミノ酸の種類と言ったら……自然界で発見されている多くのアミノ酸の中の……たったの20種類だけです。

たった20種類ですよ?

その20種類のアミノ酸の膨大なパターンの組み合わせによって、10万種類もの形の違うたんぱく質ができてくるというわけですね。なんかすごいですね。

組み合わせってすごいですよね……たとえるなら麻雀の牌の種類は34種類しかないのに手配がいつも違うみたいなことでしょうかね。しかも、麻雀の場合は、最初の手配は13枚って決まってるんですけれども、タンパク質を作るアミノ酸は別に数が限定されているわけでもなく、アミノ酸が数個結合しただけの単純なものから、50個以上がつながった大型のものまで、いろいろ存在します。

ちなみに、アミノ酸どうしが結合する時には「ペプチド結合」という特有の結びつき方をします。

それで、アミノ酸が2~3個くらい結合したもの、要するに割と分子が少なくて単純なやつを

「ペプチド」

と呼びます。ペプチドもアミノ酸の結合体ですから、意味としてはタンパク質の仲間に含めてもいいようなものですが、慣例的に(厳密に定義があるわけではない)は

アミノ酸が10個まで=ペプチド(オリゴペプチド)
アミノ酸が10個以上=ポリペプチド
アミノ酸が50個以上=タンパク質

という感じに呼び方を分けるのが一般的です。

でも、大きな意味で言えば、

「アミノ酸どうしがくっ付いてできたもの=タンパク質」

と言っても一般的には別に間違いではありません。

ちなみにですが、さきほど、私たちが食べたタンパク質は体内で一度消化分解されてアミノ酸の形に分解されると書きましたが、実は完全にバラバラにされずに、ペプチドの状態のまま吸収される場合もあります。

ペプチドはすでにかなり小さいのでそれ以上分解するまでもなく使われる場合もあるわけです。

とにかく、人間にとって「タンパク質」を合成するために必要なアミノ酸は20種類あり、その組み合わせによって筋肉繊維を構成したり、爪や皮膚を作ったり、あるいは免疫機能や酵素として働いたり……というふうにタンパク質の機能は分かれます。

アミノ酸以外を含むこともある

で、さっき

「アミノ酸どうしがくっ付いてできたもの=タンパク質」

と言いましたが、実はアミノ酸だけで作られたタンパク質は

「単純タンパク質」

と言います。それと違って、たとえば糖質とか脂質とか、つまりアミノ酸以外のものがいっしょにくっ付いている場合もあり、この形のタンパク質は

「複合タンパク質」

と言います。

アミノ酸独自の機能

ところで、ということはアミノ酸の仕事というのは結局、タンパク質を合成することだけなのでしょうか?

……というと、そんなことはありません。

もちろん、アミノ酸の主要な働きのひとつはさまざまな種類のタンパク質を生み出し、そのタンパク質が体内で様々な働きをする、というのはその通りなのですが、アミノ酸の役割はそれだけではありません。

たとえば、神経伝達物質としてよく知られる「ドーパミン(C8H11NO2)」というのは「フェニルアラニン」と「チロシン」という2つのアミノ酸を材料として体内で作られますが、これはタンパク質ではありません。

また、人間の体内には、タンパク質の合成には関与しないまま細胞内や血液中に存在する

「遊離アミノ酸」

というのもあって、これらの中には、たとえばシジミに含まれる成分として有名な「オルニチン」とか、お酒が好きな中高年のおじさんなら聞いたことがあるでしょう。

あるいは、ストレスの抑制やリラックス効果があると言われる「GABA」もタンパク質を形成するのではなく遊離アミノ酸としてその効果を発揮します。GABAというのは「γ-アミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)」の略称です。

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