足の痛みの種類と原因、安易な自己判断は危険かも?

足の痛みは、痛む箇所や足の痛み方などがそれぞれに異なっている場合も多く、他人の例を聞いても同じ症状なのかどうか、また他人の足の痛みの場合に有効だった治療法で同じように効果が出るのかどうか、一概に言えないので対処が難しい場合があります。

また、いつも足の同じ場所に痛みが出ることに気が付いて……でも、自分でもどうして足が急に痛み出したのか原因が思い当たらないという場合もけっこう多くあります。

ここでは典型的な足の痛みの症状の種類と原因を見ていきます。

周囲の人の話や、自分の思い込みだけで安易な判断をすると対処が有効でないばかりか逆効果になってしまう例もあります。

足の痛みというのは症状も原因もさまざまに考えられるということを知り、できるだけ複数の医師や専門家に相談した上で適切な対応策を選びたいものですね。

分かりやすい足に関わる症状

まず、あまり間違える余地のない、一般にも知名度の高い(?)症状から。

魚の目・タコ

皮膚の角質が硬くなって、圧迫すると痛くなります。

陥入爪(かんにゅうそう)

いわゆる巻き爪ですね。爪を深く切り過ぎる傾向がある人、また、横幅が細いヒールや靴を常用すると発生しやすいです。爪が皮膚に食い込んでしまうと痛むことがあります。皮膚を刺激して中度以上の「陥入爪」になると炎症を起こして患部が膿んだり液が出てくるようになることもあり、進行するとかなりの痛みが伴います。早い目に対処したほうがダメージが少なく済みます。

アキレス腱断裂

よく知られた「アキレス腱が切れる」という状態です。運動時などの衝撃によって起こります。準備運動の不足や、跳躍やダッシュのような急激な動きを繰り返すことで発生しやすいものですが、日ごろからスポーツをしている人は知識もあり、常に注意する意識が働くと思います。むしろ日頃まったく運動していない人は要注意です。

肉離れ

ふくらはぎは肉離れが起こりやすい部位です。肉離れというのは、耐性を超える衝撃が加わったときに筋肉の筋繊維の一部が断裂してしまう状態です。原因がはっきりしている場合がほとんどなので他の疾患と間違えることはほぼないでしょう。とにかく動かさないようにして、炎症を止めるために最初は十分に冷やします。

以上は、ほとんどだれでも聞いたことのある典型的な足(脚)の症状であり、混乱するようなことはほぼありませんが、足の痛みや症状には一部紛らわしいものも含まれていますので、注意が必要です。

以下は、痛む場所ごとに考えられる原因を挙げていきたいと思います。

ふくらはぎが痛い

ふくらはぎの痛みは、次のような原因が考えられます。

① 運動不足、歩行不足

運動不足や歩き不足に陥ると、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋が硬直してしまい、上半身を支えて立つ力が弱くなります。また静脈の血液を上方向に押し戻す力(静脈還流)が不足して血が下半身に停滞しやすくなります。

② 脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症の症状としてふくらはぎに痛みを感じたり、ひんぱんにこむら返りが起こる場合があります。

脊柱管狭窄症になると、他にも腰や膝など各所に痛みが出やすいですが、それらの痛みを避けようとして、脊柱管狭窄症の人は立っている時の姿勢が猫背のように前かがみになりやすい傾向があります。体重をつま先方向に偏らせて背中を丸めるようにすると、脊柱管が伸びて痛みが出にくいので、自然にそういう姿勢を取ってしまいます。

しかし、そのような姿勢を続けていると結果としてふくらはぎの筋肉に負担が集中してしまい、今度はふくらはぎが痛くなるわけです。

③ 下肢静脈瘤

静脈還流がうまく行かない状態が続くと、脚部の静脈に血液が多く溜まり過ぎることで静脈の血管壁にある「弁(静脈内で血液の逆流を防ぐもの)」が損傷を受けます。

そこが瘤(こぶ)のように膨らんできて静脈瘤となります。静脈瘤がどんどん発生し始めると皮膚の上から目視でも血管が異常に浮き出たような形状や、不自然にくねくね曲がったりして見えます。あるいは毛細血管が刺青のように皮膚に模様を描いたように現れます。

とりあえず見た目がちょっと怖いので自分で気が付いた時にはかなり驚くかもしれませんが、実は下肢静脈瘤ができること自体は、すぐに生命に関わるような疾患ではありませんので安心してください。

ただ、静脈還流がうまく行っていないことは確かなので、それに伴ってふくらはぎ辺りの皮膚に痛みを感じたり、足がだるい、むくむ、ふくらはぎがよくつる、などの症状が起こる場合があります。

また、長期間放置すると瘤が破裂して内出血を起こしたり潰瘍になったりする場合もあります。

「足がつる」「こむら返り」はなぜ起こる?

こむら返り(有痛性筋痙攣)という現象が起こるのは、筋肉細胞のコントロールがきかないため一時的に筋肉が勝手に収縮などの運動を起こしてしまうことが原因です。

通常人が動作する場合には一方の筋肉が収縮するときには、対応するもう一方の筋肉が弛緩して伸びるというように神経系を通じて互いに連動して動かなければなりません。

何らかの理由でこれがうまく制御できないで、いわば筋肉が勝手な行動をしてしまうわけです。

そして、筋肉の制御ができなくなる原因を考えると、ひとつには単なる筋肉そのものの疲労があります。健康な人でも運動した時や仕事などで長時間立っていたり、長い距離を歩いたなどふだんとと違って運動量が多かった場合に起こることがあり、きっとだれでも経験したことがあるでしょう。

しかし、それ以外に

「夜中に足がつる」

という現象を繰り返し経験することがあります。これは

① 運動不足によって筋力自体が著しく弱っている
② 加齢などによる筋肉量の現象

といった理由によって起こります。この場合、ごく日常的な動作だけでも筋力が限界を超えてしまうようになり、すぐに制御不能な状態に達してしまうことになります。

また他の面で、

③ 血行の悪化
④ 細胞中のミネラルバランスの偏り

によって有痛性筋痙攣がひんぱんに起こることもあります。たとえば就寝中に脱水症状に近い状態になったときなどは、血液の循環が停滞しがちになったり細胞中の電解質の排出が滞りバランスがコントロールできなくなります。あるいは高血圧や高脂血症、抗がん剤などの薬の副作用で起こることもあります。

⑤ 糖尿病や肝硬変、脳梗塞などに至る症状として

これらの生活習慣病や循環器系の疾患に至るまでには、血流の異常や血管の損傷、動脈硬化の進行などにより下半身の静脈や毛細血管の機能が不全となり、細胞への栄養供給も不十分になりますから、ひんぱんに足に痛みがあったり、有痛性筋痙攣が起こったりすることがあります。

踵(かかと)が痛い場合

次は踵(かかと)の痛みです。

足裏の後ろ側、土踏まずから踵にかけての痛みがある場合に真っ先に考えられるのは

① 足底腱膜炎(足底筋膜炎)

ということになります。

足底腱膜炎は、足裏に位置する靭帯(足底腱膜)に過剰な負荷がかかり続けることによって起こりやすくなります。

足底腱膜炎になると、少し長く歩いたり重いものを持ち運んだりするとすぐに足裏に痛みを感じてしまいます。

処置としてはとにかくまず安静にするように言われますが、そうは言っても日常まったく歩かない、何の作業もしないというのは現実には不可能ですから、悩みの種になります。

また体格や動作のクセには個人差が大きい上、ふだんの生活の中で自覚がないため治療の効果の出方も千差万別で実感しにくく、治療を続けるモチベーションが続かない場合もあります。

足底腱膜炎は運動競技や立ち仕事などによる足底の酷使によって起こりやすいと言えますが、特に足を酷使していたという自覚がなく、必ずしも思い当たる理由がないにもかかわらずなってしまう場合も少なくありません。

また、中高年ともなると運動不足を気にするようになり、これを解消しようとして急にジョギングやランニングを始める人がいます。ところが、ふだんの活動量が極端に少なくなっているのに急に激しすぎるトレーニングをすると(本人はそれほど激しいという自覚がなくても)足や膝などに損傷や炎症が生じてしまう場合があります。

ある程度の年齢になり、健康のためにと思うのは良いことですが、運動を始める際は自分では

「楽勝過ぎて運動している気にもならない」

くらいのところから様子を見ながら徐々に始めて行ったほうが無難です。

ところで、足底腱膜炎の症例は比較的一般的ではありますが、だからと言って踵に痛みが来るのは全部足底筋膜炎と決め付けるのもよくありません。もしかするとまったく異なる原因が見つかる可能性もあるのですから、自分で判断する前に一度はある程度設備の整った総合病院などを受診して他の疾患や損傷の可能性がないか確認したほうがよいでしょう。

② 坐骨神経痛

坐骨神経痛は「椎間板ヘルニア」に伴う典型的な症状ですが、私たち中高年から高齢者の場合にはむしろ腰部脊柱管狭窄(ようぶせきちゅうかんきょうさく)と言って、背骨に内包される脊柱管という神経の通り道が加齢などのために自然に狭くなった結果、内部の神経を刺激することで起こることが多くあります。

坐骨神経痛の多くはお尻の当たりから足裏まで、全体的につったような感じやしびれを伴うことが多いのですが、人によっては局部的な痛みだけを特に強く感じる場合もあり、初めて経験した時には坐骨神経痛だと認識できないこともあり得ます。

③ 踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)

セーバー病とも呼ばれる、成長期の子供に特有の症状です。まだ発育途上にある足の踵に強い衝撃や負荷がかかることによってわずかに骨が粉砕したり、炎症が起こったりします。

放置すると日常の運動、歩行で繰り返される刺激や成長時の変化、筋肉やアキレス腱の力が常に患部にかかることなどによって患部の再生、回復ができないまま悪化し、最悪壊死することもあり得ます。

多少腫れが出ることもありますが、ふつうは見た目だけでは気が付きにくいこともあります。特にお子さんの場合には自分で対処できないで我慢し続けてしまう可能性もありますので、歩くときに踵をかばっている、踵を指などで押すと痛いといった症状が見られたら診断してもらったほうがいいでしょう。

④ 踵骨骨髄炎(しょうこつこつずいえん)

名前が似ていますが、骨髄炎というのは主に細菌や微生物が侵入したことによって起こる骨の感染症です。骨髄炎の場合にも踵は症状が出やすい部位ですが、同時に発熱や疲労感、体重の減少といった全身症状が多ることが多いのが特徴です。

⑤ 単発性骨嚢腫(こつのうしゅ)

比較的稀な症例ですが骨の内部(骨髄)に空洞ができて体液が溜まることで外側への圧迫が起こり痛みが出る病気です。気付かずに発展すると骨がもろくなり、特に力を加えていないのに骨折が起こります。

この病気の原因はまだ不明ですが、早期に発見してステロイドなどによる治療が施されれば骨が再生し、完治も可能です。

⑥ 原因が特定できない痛み

実は、本人が痛みを訴えているのに、病院で検査をしても原因が分からない場合というのが意外に多いです。あるいは、往々にして実ははっきり症状や背景が掴めていないとしても踵付近が痛ければ

「足底腱膜炎でしょうね……」

ということで一応の診断を済ませてしまう可能性もあります。実のところ、患者さんに向かって

「よく分かりません」

とはなかなか言いにくいでしょうから。

いずれにしろ、その場合にはたいてい湿布して様子を見てください……という処置になるでしょう。

足首が痛い場合

次に、足首の痛みですが、まず言えるのは、足首は非常に

① 捻挫

しやすい箇所です。

捻挫が起こったらまず応急処置として、それ以上なるべく患部を動かさないように保護しながら冷却します。

よく、捻挫の際に患部を冷やすべきか、温めるべきかと判断に迷うことがありますが、捻挫と分かっている時は、最初まず冷やすというので間違っていません。それも、市販の冷感シップなどを貼る……というような程度ではなくて、たとえば冷たい水で濡らしたタオルなどを使ってけっこうガンガン冷やす必要があります。

ただし、これは初期の段階で炎症をなるべく拡大させないためであって、いつ頃まで冷やすか……というと、ごく分かりやすく言うと、

「とりあえず動けるようになって、病院に着くまで」

と考えておけば間違いないように思います。

その後は医師の指示に従って処置を行えばいいでしょう。

次に、数分で痛みがなくなって今まで通り運動できるようなごく軽度の場合を除き、自分で「ただの捻挫」と思った場合でも一度は病院で受診するほうが無難です。それは治療のためというよりは骨折、脱臼などがないか確認するためです。

病院に行くとだいたいは

「一応、骨に異常がないかレントゲンを撮りますね」

ということになり、骨に異常がなければ「捻挫」と確定されます。

(ただし、経過が思わしくない場合など、後からさらに詳しい検査の結果、細かい骨折や、関節部の損傷などが見つかる例もあります)

その後は、自分で処置するにしろ通院するにしろ、基本的には

「患部の固定」「塗布薬や内服薬による炎症の抑制」

が必要になります。あとは、時間の経過に伴って自然に回復するのを待つことになります。

② 反応性関節炎

よく風邪を引いた時に関節の痛みが出ることがありますが、体内の過剰な免疫反応によって、すでに風邪は治っているのに関節痛だけがいつまでも残ってしまう場合があります。足首や膝に症状が出るっことが多く、ウィルス性の胃炎などでも起こることがあります。

だいたいは自然に治癒しますが、ひどい時には薬を処方してもらったほうがいいでしょう。

③ 変形性足関節症

変形性足関節症は捻挫がきっかけで起こる場合も多くありますが、O脚の人や、加齢によって足首の関節を構成する脛骨、腓骨、距骨のいずれかの軟骨組織が損傷することによっても起こる場合があります。

特に何もしていないのに少し歩くと足首が痛み出す、夜になると腫れが出たり、特定の動かし方をしたときに痛むといった場合には変形性足関節症が疑われます。

対処としては軽いものから

・アキレス腱伸ばしなどストレッチによる痛みの軽減
・サポーターやテーピングなどで足首を動かさないように固定する
・炎症を止めるための薬物療法
・手術
・人工関節

と進みます。当然、軟骨部分の劣化や剥離などが少ないうちに対処したほうが有効なので、特に中高年以降の方はふだんから意識的に関節を守る生活をする、また、転倒や打撲、捻挫といった不意のケガや事故などに合わないよう注意するといった心掛けが有効です。

くるぶしが痛い場合

くるぶしに痛みが出る症状です。

① 過去の外傷や捻挫の後遺症

くるぶし辺りが痛む原因として最も一般的なのは、過去に経験したケガや捻挫によって足首関節に何らかの異常が残ってしまっている場合です。また、傷をかばうために偏った歩き方が癖になっているために特定の部位に痛みが出ることもあり得ます。

② 靴が合わない

靴が足の形状、特に靴の高さが足に合っていないために、くるぶしなど出っぱった部分に刺激を与えたり皮膚に摩擦が起こったりして痛くなることがあります。またサイズが合っていない運動靴などを履いて運動をし続けている場合にも痛みが出やすくなります。

② 成人期扁平足

中年以降の女性に多くみられます。成人期偏平足はもともとは偏平足ではなかったのに肥満や加齢による筋力低下から足底のアーチ型が保てなくなり、それにつながっている後脛骨筋腱に裂傷が起こりやすくなります。

初期には歩行時などの足の内側のくるぶし周辺の痛みが始まります。またつま先立ちができなくなります。まずは保存的療法で、足底板を利用したり、足の裏をマッサージしたりすることによって様子をみます。

③ 外くるぶしのふくらみ(足関節脂肪腫)

浮き指や外反母趾、扁平足など足裏の不安定があるとき、足指を使った正しい歩行が行えず、足先が外方向へ流れるような歩き方が癖になることがあります。

するとくるぶし付近の常に刺激を受ける部分に脂肪のかたまりができることがあり、刺激を受け続けると痛む症状が出ます。

④ 骨軟骨腫(こつなんこつしゅ)

主に成長期に多く見られますが、骨が局部的に大きくなってしまう状態です。痛みが出ないこともありますが、形状によっては切除が必要になることもあります。

⑤ 疲労骨折

微細な骨折が起こっても本人が気が付かなかったり、病院に行っても初見で見逃されてしまう場合があります。捻挫などの場合、時間の経過とともに痛みは消えていくはずですが、疲労骨折がある時はむしろ日に日に痛みが増してきます。疑われる場合は再度受診したほうが良いでしょう。

土踏まずが痛い場合

次は、土踏まず辺りが痛む症状が出やすいものです。

① 足底腱膜炎(足底筋膜炎)

前述の通り、足裏の土踏まずから踵にかけての痛みでまず疑われるのが足底腱膜炎です。

② 偏平足

土踏まずは小学校3年生くらいまでには形成されますが、先天的な障害や小児期の環境などによって形成されないままになってしまうと偏平足になります。

また前述の通り、もともと土踏まずが自然なアーチ形に形成されていたのに、その後の体重増加や歩行不足、運動不足などの理由からアーチが崩れて成人期偏平足になってしまう場合もあります。

偏平足だからと言って必ずしも痛みが出るわけではありませんが、足底腱膜や足指の運動力が低下しやすいため脚全体が疲れやすくなったり、長時間立っていたりふだんより作業や運動を長時間行ったりすると痛みが出たりしやすいです。

③ 胃腸など内臓の疲労、疾患

土踏まずに常に鈍痛を感じて、押圧した時だけ気持ち良かったり逆に特定の個所だけ押すとすごく痛かったりするという場合は、足の異常ではなく消化器系や心肺機能などどこかの臓器が弱っている場合が考えられます。

食事に気を付けたり、休養を取る、冷えないように注意する……または、気になる場合には形成外科だけでなく、内科などで全身的な検査や診断を受けてみるのも有効です。

足指の付け根が痛い場合

足の指の付け根のところが痛むときには、次のような理由が考えられます。

① 外反母趾(がいはんぼし)

母趾は親指(足の第一指)のことです。足の親指が内側に曲がってしまう状態を外反母趾と言います。外反母趾では足全体が親指の付け根部分が若干突出したような形状になるので、靴に当たったりして付け根部分に刺激や負担が集中してしまいます。

② 内反小趾(ないはんしょうし)

外反母趾とは逆に小指が内側に反っている状態です。やはり指の付け根部分が刺激を受けて痛みが出やすくなります。

③ 中足骨骨頭痛

中足骨骨頭部は足の付け根辺りの骨部で、各指につながっている骨が横に並んでアーチを描いているのが正常です。しかし、中足骨骨頭部に負荷がかかり過ぎたりすることでアーチ形が崩れたり、それに伴って足の中のほうからジンジンするような鈍痛が出たりします。

中足骨骨頭痛にはふだんの歩き方のクセが大きく影響しています。男性に多い(女性でもいますが)つま先が外側に向いているいわゆるガニ股歩きや、着地時にどすん、どすんと足裏全体を地面に落とすような歩き方が習慣になっていると、歩くたびにこの部分に大きな衝撃や負荷がかかります。

④ モートン病

足の人差し指から薬指くらいの付け根、あるいは指の間の部分にしびれるような感じ、またはヒリヒリ焼けるような感じの痛みを感じる場合、モートン病の可能性があります。

仕事柄、つま先立ちの状態でしゃがんだ姿勢で作業することが多い人や、常時ハイヒールを履いて業務している人などに多く、特に足の親指が短い(モートンフット)タイプの人の場合に起こりやすい症状と言われています。指先に通じる神経が繰り返し圧迫されることで起きます。

足の指先が痛い場合

足の指そのもの、つま先に痛みが出る症状です。

① 糖尿病性神経障害に伴う疼痛

高い血糖値により血管がダメージを受けることにより神経障害が発生することがありますが、自覚症状は末端である足先に現れる可能性がかなり高く、最初は足先や足裏に違和感、しびれなどの不快感が現れます。

糖尿病性神経障害は最初の内は日常的な疲労とか同じ姿勢を長時間取っていた場合のしびれや違和感程度のもので、ほとんど意識しないかもしれませんが進行すると日常生活に支障をきたすような激しい痛みに襲われることもあります。

また、神経が半ば麻痺したようになって足に打撲や傷ができても気が付かなかったり、気が付くと化膿していたりする場合もあります。

② 足根管症候群

脚から足裏に伸びている後脛骨神経のどこかに損傷や圧迫があると足先に痛みやしびれが出ることがあります。

③ 関節リウマチ

リウマチの症状はどの関節でも起きますが、足先にしびれや痛みが出ることもあります。

④ 痛風

足の親指が大きく腫れて、ちょっと触った程度でも激痛が走る……これは痛風の典型的な症状です。

通常の治療で効果が感じられない時

以上、足で起こる痛みの原因には多くの場合が考えられ、中にはご紹介したような重篤な疾患の一症状として足の痛みが出ている場合も考えられますから、一度は病院を受診したほうが良いでしょう。

原因さえ特定できれば有効な治療や対処が比較的はっきりしているものも多くあるのです。

もちろん一方では、原因が定かに判明しない場合や、特に外傷も異常も見つからないのに足裏や踵に痛みが出ることも珍しいことではありません。

とは言え、少なくとも「~ではない」ということがはっきりするだけでも医師に相談する意味は十分あると言えます。

原因がはっきりしないけれど、本人が足の痛みを自覚しているという場合、一つ考えられることは、どの場所の痛みであれ長年身に付けてしまった自分の動作や歩行のしかたのクセなどによってその一か所だけに負担が集中しているのかもしれないということです。

たとえば踵を地面に落とすような歩き方が癖になっている場合、足底腱膜ではなく直接に踵が痛み始めたり、片方の足首だけがなぜか痛くなったりするといった可能性もあります。

あるいは、ふだんから足が楽だと感じて実際の足のサイズより大きめの靴とか、足指の可動域が広いタイプの靴ばかりを好んで履いていると、足指や靭帯の動きが大きくなってしまうので負荷が大きくなり、そのせいでわずかな運動でも疲労しやすかったり、その結果痛みが出やすいという場合もあり得ます。

はっきりした病名や診断名が付けられないときや、原因が特定でいない場合には、往々にして

「自分が無意識に行っている長年のクセや習慣による負荷の蓄積」

が問題かもしれない……と考え直してみることは有効です。

ですが、こういった身に付いた癖や習慣というのは本人にとってはあまりにも自然であるために、気が付かないことも多いですし、仮に他人から指摘されてもなお

「いや……そんなことはないと思うんだけど」

と考えて、それでも自覚できない場合すらあります。

ということは、通常に治療を受けてもなかなか改善されなかったり、時期が経つとまた同じ症状に陥ったりする場合、靴選びをあえて今までとまったく違うものに変えてみるとか、中敷きを利用してみるというように、今まで試したことのないものを使ってみると何かしら効果があるかもしれません。

または、スポーツや体力作りなどを行っている場合には、トレーニングのメニューを一部変更してみる、仕事で足に負担がかかっていると感じるならば、可能な限り担当する作業を交代したり、具体的な作業方法や手順を変更してみるといったことでも(仮に根拠ははっきり自覚できていなくても)足の痛みを引き起こしている原因が消滅するかもしれません。

あと、言うまでもありませんが足にとって絶対的に有効なのは……体重を落とすこと、です。

そもそもやせ型の方は別として、もしあなたが標準よりちょっとだけ……体重多めだとしたら、足の痛みそのものの詳しい原因や明確な対処法が特定できない場合でも、とりあえず今より減量できれば足にかかる負担は必ず減少することになります。

逆に、すでにやせ型の人の場合は、往々にして運動不足、筋力の不足が考えられます。今はネットや本などでもかんたんにできるストレッチやトレーニング法がたくさん紹介されていますから、日常生活に少しずつ取り入れてみたら改善が見られる可能性はあります。

このようにして、とにかく長年ごく自然に行ってきた日常の動作や習慣を、何かしら変えてみることで、悩んでいた足の痛みが軽減したり取り除かれたりする可能性はけっこうあります。

実際、本人の姿勢や歩行のクセに着目して足の痛み解消を専門に扱っている医院や整骨院などもたくさんあります。試しに受診してみるのも良いかもしれませんが、よく考えてみるとたいていそこで行われていることは痛みの緩和のための処置と並行して、歩き方や立ち姿勢といった習慣の改善指導です。

つまり本人が自然に身に付けたふだんからの習慣自体の修正という面からアプローチする施術になります。

逆に言えば、もし良い先生に巡り合って、適切な治療を受けられたとしても、自分がふだんのクセや習慣を修正する意思がなく、今まで通りの生活を続けていたら治療の効果は半減し、良くなるものも良くならないでしょう。