体のためには、GLUよりむしろ「HbA1c」を下げる生活。

糖尿病のほうは、ある意味漠然とは覚悟していたのですが、今回の会社の健康診断では、私は

HbA1c   6.5%

GLU    127mg/dL

という2つの数値が基準値を超えているとのことでした。

って言っても、基準値がどれくらいなのか?

で、それを超えたら何が問題なのか?

……現実を見ないように生きてきた私にはピンと来ませんでした。

HbA1cとは?

HbA1cの、Hbの部分はヘモグロビン(hemoglobin)のことです。

ヘモグロビンは、私も名前は知っていました。血液の中の、赤血球に含まれていて、体中に酸素を運ぶものです。

ヘモグロビンが鉄分を持っているので血は赤いんだと習いましたよね?

鉄を含む部分をヘムと呼び、それと結合しているタンパク質をグロビンと呼びます。

これは酸素が多いとところでは酸素と結合し、酸素の少ないところでは酸素を放出する性質があります。よって、ヘモグロビンは肺で酸素と結びつき、血液の循環によって全身に酸素を行きわたらせる働きがあります。

これはふつうのヘモグロビンの話です。

ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビンHbにA1cという形の糖(ブドウ糖)が結び付いたもの、つまり

「糖化タンパク質」

の一種です。

もちろん体内には他にも様々な糖化タンパク質があって、一部は老化現象や、肌の劣化といった面で悪影響があるというように取り上げられて、研究されています。

それで、健康診断でなぜこのHbA1cが注目されるかというと、血液中に含まれるHbA1cの量を測ることによって、直近1か月くらいの間の血糖の量、すなわち一定期間中の血糖値の状態を推測することができるからです。

GLUは単純な血糖値。

ふつう、血糖値という場合には単純に言って、血液中にある糖分の量を測ります。

私の場合、

GLU   127 mg/dL

でした。

GLUというのは、グルコース値です。グルコースというのはそのままのブドウ糖のことです。つまり糖分です。

つまりGLUというのは、今血液中にある糖分の量のこと。これを

「血糖値」

と言っています。

この基準値、つまり正常な範囲はですね、それは成人では男女ともに

75~105mg/dL

とのことですので、私の場合はこれ自体がもう明らかに基準値を超えています。

ですので否応なく

「糖尿病確定!」

と言われても文句は言えないわけですが……(汗)

しかし、ふつうのいわゆる

「血糖値」

というのは、いわば検査した瞬間の、その時点での血液中にある糖分の量を測るものなので、極端に言うと、その人の血糖値が

「長期間ずっと高いのか?」

それとも

「今、たまたま高いのか?」

という判別ができないことになります。

血糖値はだれでも上下する。

たとえば、当たり前ですけど思いっ切り甘いものを食べた後は血糖値が上がるに決まってますよね?

ふつうの食事でも同じことで、たとえば食後だけ異常に、基準値を大幅に超えて血糖値が上がる

「食後高血糖」

という症状もあります。

もちろんそれだって結局は糖尿病予備軍なのですが、逆に言って、何かの理由で今、瞬間的に血糖値が高くなったからと言って、直ちに糖尿病と診断されるわけでもありません。

健康診断時に測るのは、空腹時血糖値です。

健康診断の前日から、

「何も食べないでください」

って指示されますから。

ですから、食後すぐの血糖値は健康診断を一回やっても分かりません。

それで、場合によって数回、期間を置いて同じ検査をしたり、あるいは経口ブドウ糖負荷試験といって、わざとブドウ糖を摂取した後の血糖値を計測して耐糖能異常がないか確認したりするわけです。

HbA1cの値は、直近1~2か月の血糖値を知る目安となる。

人間の赤血球の寿命はおよそ3か月~4か月くらいです。赤血球が働いている間、それに含まれるヘモグロビンは自然に少しずつ血液内に含まれるグルコース(ブドウ糖)と結合してしまう性質があります。

いったん結合したら、再び分離することはありません。

すると、これは確率の問題で、その人の血液内に常に糖分が多く存在していれば、ヘモグロビンはそれだけ早く

「糖化」

するわけです。

つまりHbA1c値が高くなるのは、一定期間ずっと血液中に糖が多かったということです。

そこで、糖化ヘモグロビンの一形態であるHbA1cが存在する量(割合)を測定すれば、その瞬間ではなくて、一定期間中その人がどれくらいの血糖値を保っていたか、ということが分かるわけです。

HbA1cはちょうど直近1~2か月間の血糖値の状態を反映すると考えられているため、体内での血糖値のコントロール状態を知るのに適しています。

単発で血糖値を気にするのはあまり意味がない。

たとえば、

「もうすぐ健康診断だから、引っかからないように」

と思って、一週間くらい意識して食事などに気を付ければ、検査時のGLU(血糖値)を下げることはできます。

しかし、それではHbA1c値は下がりません。

逆に言えば、ここ2ヶ月くらいダイエットか何かをしていた人が、検査の前日だけ飲み会があって久しぶりに食べまくってしまった……こんな人いるかどうかは別にして。

これだとHbA1c値は上がりません。

GLUは上がるでしょう。

なので最近は、両方の数値を見比べて糖尿病の診断をするというわけです。

ふだんの生活の中で、たとえば

「こんな脂っこいもの食べたら、血糖値が……」

と心配になるという場面がありますよね?

もちろん、それはそれで、まったく気にしないよりは良いでしょう。

また、すでに食事療法を行っている人なら、当然でしょう。

でも、通常の場合、その時だけ心配してもあまり効果はなくて、結局は自分の生活習慣全体のほうがはるかに影響が大きいわけですよね。

HbA1cの基準値。

HbA1cの正常値は国際基準では5.5%です。

そして、もちろんGLU等、他の検査結果と総合的に判断されますが、これが6.5%になるとふつうは糖尿病と診断されます。

さらに、7.4%を超えると合併症などを心配する段階になります。かなり危険です。

ですが、それでは、その中間、つまり

5.6~6.4%だったら安心かというと、実はそういう問題ではなくてですね。

HbA1cというのは、基準値付近だったら、体内の血糖のコントロールがうまく行っているという意味なんです。

ですから、それより少し高いということは、その時点ですでに血糖コントロールが若干うまく行っていないということを表します。

つまり、HbA1cが多少なりとも高い場合、それは放っておけば、今の生活を続けていれば……いずれ、もっとどんどん高くなっていくという性質のものなんです。

ですから、少しでも高い場合には、できるだけすぐにでも何らかの対策を始めたほうがいいわけで、放っておけばもっと上がってくるのは時間の問題と言えます。

まあ、すでに

6.5

の私が言っても説得力ないかも知れないですけど。

中高年のみなさん、改心するなら早いほうがいいです。