最も不足しがちな必須アミノ酸ははどれ?

体に必要なアミノ酸はバランスよく摂取することが肝心です。どれが不足してもいけません。

特に必須アミノ酸は体内では合成されないので基本的には

「9種類全部を同時に得られる食事」

というのが最も理想的ということになります。

特定の一種類のアミノ酸が仮に

「~に抜群の効果がある」

とか言われていたとしてもです。

基本的に必須アミノ酸は不足しなことが重要なのであって、単にそのアミノ酸だけをやみくもに多量に摂取しても実質的な意味はないと思われます。

当然、過剰に摂取すると余計なカロリーを得ることになりますし、アミノ酸の種類によって過剰に摂取した場合の弊害などが懸念されるものもあります。

【アミノ酸が過剰で何が悪い?】

食事の内容でバランスをとるにしても、あるいはプロテインやアミノサプリメントを使用するにしても、本来は自分の体調や体質、またふだんの食生活や目的に照らして、自分が摂取しているすべてのアミノ酸について全体として摂取するべき容量を確認した上で意識的にバランスを整える必要があるでしょう。

食事で考慮すべき「アミノ酸」のこと

私もよく知らないで、ごく一般的な意味で

「まあ、肉とか魚とか、野菜とかバランスよく食べたほうが健康に良いだろうな……」

というかなり大ざっぱなイメージしか持っていませんでした。

しかし、実はタンパク質やアミノ酸のことだけを考えても、それぞれの食材や食品によって含まれているアミノ酸の種類と量が大きく異なっているので無頓着に食べていると「特定のアミノ酸だけが大きく不足している」という状態に気が付くことができないかもしれません。

もちろん、具体的には実際の食品ごとのアミノ酸量を確かめてみる必要がありますが、ここでは主なたんぱく源のアミノ酸含有量の傾向を大まかに押さえておきたいと思います。

① 畜肉類に含まれるアミノ酸

まず、たんぱく源として真っ先に挙がるのは「肉」だと思います。よく、肉類はたいていアミノ酸スコアが100なので、アミノ酸バランスが良い……と言われます。
確かに、肉類は牛、豚、鶏、あるいは羊でも……また、部位によらずバラでもロースでもレバーでも、あるいは霜降りであろうと脂身が混ざっていようと(ラードみたいに脂だけだったらもちろんダメですが)軒並みすべてのアミノ酸含有量が評点パターンを大幅に上回っているものばかりです。

また、肉類はそもそもタンパク質そのものの含有量も軒並み多いので、

「肉喰っときゃ間違いない」

という感じです。ただしですね、これはあくまでタンパク質のことだけを考えた場合の話であることをお忘れなく。

② 魚介類に含まれるアミノ酸

一般的な魚はどれも肉類にほぼ匹敵する蛋白質量を持ちます。カニやエビも若干減りますがそれでもたんぱく源として十分な量を持っています。

貝類はものによってばらつきがありますが、あさり、しじみ、ハマグリ、ホタテなどはタンパク質をある程度持っていますが魚に比べるとだいたい半分という感じになります。

必須アミノ酸含有量についても、全種類を軒並みバランスよく基準量以上に含んでいるものが多く、肉類に引けを取りません。

ざっくり言えば、肉類と魚介類はほぼ同等の優良たんぱく源と考えてよいでしょう。

③ 卵のアミノ酸

卵も卵黄、卵白ともにすべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。当然アミノ酸スコアは100です。また、逆に言って特定の必須アミノ酸だけが突出して多いということもなく、理想的な評点パターンに近いバランスと言えます。

当然、鶏卵以外の卵類も同様です。

④ 牛乳、乳製品のアミノ酸

牛乳は言うまでもなく貴重なたんぱく源であり、もちろんアミノ酸スコアは100です。

乳製品ではチーズはすべての必須アミノ酸を十分に含みます。というより牛乳のタンパク質そのものを集約、凝縮したような食べ物と言えます。

ヨーグルトはアミノ酸のバランスは良いですが、水分が多くそもそものたんぱく質量が少ないです。ただ発酵食品の特性によって食べる前からタンパク質が分解されているため、消化が容易で吸収率も高いという利点はあります。

⑤ 豆類のアミノ酸

アミノ酸スコアの話で言うと、健康食品などの話では大豆が特にクローズアップされることが多いのですが、他の豆類も(すべてが100点ではありませんが)たいていそれに匹敵するアミノ酸バランスを持っています。

ただし、実際の調理では豆類は茹でて使うことが多いですよね?

茹で上げると豆類のタンパク質はかなり減ってしまいます。大ざっぱに言うと、茹でると豆類のタンパク質は半減する、というイメージです。これに関しては大豆も例外ではありません。

また、大豆食品というと、豆腐と納豆が思い浮かびます。ともに含んでいるアミノ酸のバランス自体は良いです。ただ、豆腐はタンパク質も獲れるのですが、成分の大部分が水分ですので食べた量からイメージするほどたくさんタンパク質は摂っていない、という感じになります。

納豆は大豆のたんぱく源がほぼそのまま残っていると考えてよいでしょう。

⑥ 穀物のアミノ酸

穀物タンパク質で最も汎用性が高いのは小麦ですが、小麦は必須アミノ酸のうち「リジン(リシン)」の含有量がかなり少ないためにアミノ酸スコアが低いです。

他に、同じく必須アミノ酸であるスレオニンも若干少ないです。

そのため、たとえば食パンのアミノ酸スコアは44点しかありません。

白米も同様にリジンがかなり足りないです。代わりにバリンが必要以上に多めです。他の穀物類もだいたい同様の傾向を持ちます。

結局、不足しがちなアミノ酸は「リジン」でしょ?

実際に市販されている食品では、たんぱく質量の表示義務はありますが、それを構成するアミノ酸の種類や量についての表示は任意とされているため、すべてを具体的に知るのは難しい面があります。

それ以上に詳細なアミノ酸の含有量を知るには個別に本やサイトなどで成分表などを調べる必要があります。

詳しく調べるのも面白いかもしれませんけど、そもそも食品成分の分析方法や「アミノ酸スコア」という考え方自体が私たち一般の素人には少し理解しにくい面もあります。

だから、分かりやすく言うと結局、今の日本人一般という前提で考えるならば、結局、必須アミノ酸が云々……という話を最も端的に言うならば

「ごはんやパンだけじゃ、リジンが足りなくなるから肉とか魚とかも食べたらいいよ。あと大豆もね!」

ということをすごく化学的に言おうとしてること……です。

たぶん、そもそも現代の日本人のような食生活の環境にある人のために、栄養学とか存在するわけでもないですよね……。栄養不足のために様々な問題が発生している他の多くの国や地域の人々や、あるいは人間だけではありません。家畜や動物の飼料の品質とか……。

私たちって、牛乳でも卵でも、肉でも魚でも、なんでも容易に手に入る社会にいるじゃないですか。プロテインとか他の多種多様な栄養補助食品もあって、医療も整っていて、快適な環境で、食べ過ぎと運動不足に悩みながら生活している……。

そんなことも少し思いを馳せながら、考えていけばいいんじゃないかなと思う。