実は、イカはコレステロールを下げるほうに働く

「イカ」は脂質の含有量は少ないのですがコレステロール量が高い食品で、生活習慣病を気にする中高年にとっては避けるべき食品としてよく取り上げられます。

しかも、生のものより焼くことによってむしろ単位あたりのコレステロール量は増えます。

つまり、たとえば生のイカ刺しを100g食べた場合は摂取するコレステロールは約270㎎なのですが、同じ100gの焼イカを食べたら380㎎のコレステロールを体内に取り入れることになってしまうのです。これは、

そして、いわゆる「あたりめ(スルメ)」になると、100gあたりなんと980㎎ものコレステロールを含みます。

……だけど、イカ刺し100g食べるのはけっこう余裕ですが、スルメを100g食べるのけっこう時間かかると思うのは単に私が乾きもの嫌いだからでしょうか?

とにかく、単純に含まれるコレステロール量を考えると確かにイカは突出して多い部類に入ります。

それで、中高年の方や生活習慣病が気になる方は避けたほうが良いと言われていました。

必須アミノ酸を多く含むたんぱく質

しかし、昨今は単にコレステロールの総量が問題なのではなく、いわゆる善玉コレステロールと悪玉コレステロールを区別して考えることが一般的になりました。

むしろ、現代の食生活を前提に考えた場合、悪玉コレステロールは極力摂取を抑え、善玉コレステロールは不足しがちなので意識的に適量を摂り続けることが理想と考えられるようになったわけです。

その前提で考えると、イカが持っているコレステロールは善玉の比率が比較的多い上に、イカにはタウリンという血中コレステロールの上昇を抑制する成分が多いので、総括してみた場合にはイカを食べることでコレステロール過剰や生活習慣病の抑制に関して良い方向に働くのではないかという考え方のほうが主流になってきています。

コレステロールとタウリンの含有比率が2.0以上の場合には血中コレステロールを抑制する方向に働くと考えられますが、牛、豚、鶏といったいわゆる畜肉の場合この比はすべて1.0に満たないのですが、イカは2.0~3.0と極めて高いのです。

さらには、イカは必須アミノ酸の含有量が軒並み高い食品です。必須アミノ酸とは、人間が基本的に体内で生成できないため、食物から直接取り入れることが望ましいとされているアミノ酸類です。

イカはどの種でも、この必須アミノ酸の含有量が高いことで知られています。ただし、そのうちバリンというアミノ酸だけが極端に少ないという特徴を持っています。

ちなみに、バリンを補うのに適した食品といえば……米です。

つまり、生活習慣病を改善するという観点から言うと、むしろ食べ過ぎないことに主眼が置かれている「ごはん」にはすでにバリンが豊富に含まれているので……これをイカからさらに採ることができないからと言って問題視するに値しません。

イカはそれ以外の必須アミノ酸すべてにおいて優秀、避けるべきどころか積極的に食事に取り入れて良いものなのです。

ただ、最近話題になりやすいIPAやDHAも含まれてはいますが、イカはもともと脂質がごく少ないのでマグロや青魚のサンマやサバなどに比べると多くありません。これらの成分に期待して食べるのは実はあまり意味がないです。

イカと言えば、スルメやイカの塩辛は?

あたりめ(スルメ)にしても水分が抜けるだけで他の成分はそれほど大きく変化しないそうです。スルメは表面に白い粉が付いてるように見えますが、これは身に含まれているタウリンやグルタミン酸などのアミノ酸が結晶になって表面に付着しているからです。

ですからスルメをしゃぶっているだけでも健康に良いと言えば、良いです。

私乾きものあまり好きじゃないので嫌ですが。

また、イカの塩辛もイカそのものの成分は残りますが、何と言っても塩分がきわめて高い食品……最近は減塩の塩辛というのもよく見かけますが、味を補うために他の調味料や添加物が入っていることが多いので注意が必要かもしれません。また、本来イカの塩辛はその濃い塩分によって保存性が高くなるものですが、減塩のものはそれを保存料によって補っている場合もあります。私もイカの塩辛をごはんに乗っけて食べるのは好きなのですが、商品をよく選択する必要があります。