高血圧なら押さえておくべきカリウムとナトリウムの働き

ナトリウムというのは人体に必要不可欠な成分です。

神経伝達を発生させたり、心臓や筋肉の活動を支える働きをします。あるいは細胞の浸透圧を維持、調節する働きや、血液循環や発汗のために用いられたりするものです。

このように大変重要な、体にとっては必須の成分なのですが、多ければよいということはなく、多すぎる分は常に体内から排出されます。

このナトリウムがどれくらい必要かと言えば、

「一日に1.5gの塩分」

を摂れば、十分なのです。

ナトリウムの過剰が生活習慣病を招く

高血圧対策として塩分を控えるというのはもはや常識のようになっていますが、塩分の摂り過ぎは血圧だけではなく、それ以外にも胃がんや胃潰瘍、、腎臓病、カルシウムの吸収阻害など多くの悪影響が指摘されています。

ご存知の通り、純粋な食塩というのは「塩化ナトリウム(NaCl)」です。一説には高血圧などの発症に影響しているのは食塩そのものではなくてナトリウムであり、要するにナトリウムの過剰な摂取が問題であるということです。

もちろん人間が摂取するナトリウムの多くは食塩からなのですが、実はそれ以外にもうまみ成分であるグルタミン酸と結合した形で、あるいはアスコルビン酸(いわゆるビタミンC)と結合したりしてさまざまな食品に含まれていたり、添加されていたりします。

そこで多くの加工食品などには「塩分相当量」と表記されていますよね。これは現在の食品表示法によって食品中に含まれるナトリウムの量を記載することが義務付けられているためで、そのまま「ナトリウム量」と記載されている場合もありますが、多くの場合、実際のナトリウム量を「食塩として取った場合の量」に換算して書いてあるわけです。

ちなみに、食品中の塩分相当量は、ナトリウム(Na)と塩化ナトリウム(NaCl)の質量比が「2358.5」であることから一般に

「食塩相当量=ナトリウム含有量×2.541000

という式を用いて計算します。

別の表し方をするなら、塩分相当量1gというのは、ナトリウム393mgを摂取したと言っているのと同じです。

いずれにしろ、昨今やり玉に挙げられているのは単純に塩分というよりも、この「ナトリウムの過剰摂取」なのです。

最初に書いた通り、人間が一日に必要な塩分摂取量は、1.5gです。ナトリウム量に換算すればたったの600㎎弱で十分なのです。ところが、日本人の塩分の平均摂取量は一日約10gと非常に多いのです。

ですから、ナトリウムに関しては意識して摂ろうとする必要はぜんぜんありません。むしろ、できるだけ摂取量を減らすことを強く意識しなければならないということになります。

カリウムの働き

カリウムもナトリウムと同様に細胞の浸透圧の調整や血圧の維持などに働きます。いわばカリウムとナトリウムは互いにバランスを保つことで体内の状態を一定に保っていることになります。カリウムの不足は筋無力症や不整脈といった症状を引き起こす原因になると言われ、一部の精神的な障害にも関係があると指摘されています。

ナトリウムとの関係で見た場合、特筆すべき点は

・ナトリウムは血圧を上げる方向に働くが、カリウムは血圧を下げる方向に働く

・カリウムは、体内の過剰なナトリウムを排出する働きがある

そして、

・基本的に現代人はナトリウムが過剰でカリウムは不足しがち

ということです。

カリウムの多い食品など

一日に必要なカリウムの摂取量は

男性:3,000mg

女性:2,600mg

です。一方のナトリウムの必要量が一日600㎎弱とされているのと比べても、日々意識していなければ必ずと言っていいほどカリウムは不足してしまうことになるでしょう。

カリウムの多い食品というと、まず

・昆布

・ワカメ

・ひじき

などの海藻や乾物が挙げられます。しかし、昆布屋ワカメは同時にナトリウム含有量も多いので注意が必要です。

あとはほうれん草、ブロッコリー、パセリなどをはじめとする緑黄色野菜、トマトやピーマン、それに大根、玉ねぎ、にんじんなどの根菜類。バナナ、りんご、キゥイ、ぶどうなどの果物類。

意外なところでは、コーヒーや緑茶などにもカリウムが多く含まれています。

ただし、慢性腎臓病など腎機能が悪化している方の場合、カリウムの排出がうまく行われず「高カリウム血症」という症状を引き起こす場合もあり、気を付ける必要があります。

それ以外の方の場合、カリウムは仮に過剰に摂取された場合でも容易に体外に排出される性質なので摂り過ぎを心配する必要は通常ないと言われています。