【魚の栄養】たんぱく質の豊富な魚ランキング

魚の栄養というと、血糖値や血圧を気にしている身から言えばまず「脂質」に注目するわけですが、魚は言うまでもなく肉と並んで人間の主要な「たんぱく源」です。

単純に食品成分表などでたんぱく質の多い魚介類を見ると

1 ふかひれ……83g
2 かつおぶし……77g
3 畳鰯……75g
4 煮干し……64g
5 イワシの丸干し……32g
※すべて100g当たりの含有量

というようなランキングが出てきます。

だから魚って加工品のほうが圧倒的にたんぱく質の量が多い傾向がある……ようにも見えますが、これは第一に食品中で多くを占める水分が加工によって取り除かれた結果なので、同じ100g中の含有量で比較すれば上位に来るのはある意味当然です。

上のような食品は実際の食生活を考えるむしろダシとか調味料として使うものが多く、それだけをそのままの形で100g摂取する(=そのまま食べる?)と想定するのは無理があるように感じますよね?

……ということで、今度はたとえば身の部分(可食部)を生食で同量食べると仮定した場合、どんな魚がたんぱく質が多いのかをランキングしてみます。

生食に限定して可食部100g当たりのたんぱく質量をランキングしてみると

1 くろまぐろ赤身……26.4g
2 びんながまぐろ……26g
3 かつお(春獲り)……25.8g
4 そうだがつお……25.7g
5 めじまぐろ……25.2g
6 かつお(秋獲り)……25g
7 きはだまぐろ……24.3g
8 むろあじ……23.6g
9 まかじき……23.1g
10 ごまさば(まるさば、星黒とも呼ばれる)……23g

上位にはやはり赤身の王道であるマグロ類やカツオが並ぶことになります。(ふかひれどこ行ったんだ?)続いて、

11 くろかじき……22.9g
12 めばち……22.8g
13 ひらまさ……22.6g
14 まごち……22.5g
15 べにざけ……22.5g
16 しろさけ(秋鮭とも呼ばれる)……22.3g
17 はも……22.3g
18 まるあじ……22.1g
19 しまあじ(養殖)……21.9g
20 からふとます……21.7g

鮭は白身に分類されますが意外にたんぱく質が豊富なことが分かりますね。さらに見ていくと

21 みなみくろたち……21.7g
22 ひらめ(養殖、皮つき)……21.6g
23 みなみまぐろ赤身……21.6g
24 にじます(海面養殖、皮つき)……21.4g
25 ぶり(成魚)……21.4g
26 しいら……21.3g
27 うるめいわし……21.3g
28 とびうお……21g
29 かんぱち……21g
30 まだい……20.9g

と続きます。この辺でタイやヒラメといった白身の魚も登場します。いずれも軒並みたんぱく質20g以上。

肉類との比較

……ちなみに、そうは言ってもたんぱく質というなら、やっぱり肉のほうがすごく多いんじゃないか? というイメージがあるかもしれません。

私も少なくとも、気持ちとしては

「肉食ったー!」

というだけですごく栄養を取ったような気分になりますが……そこで言っている栄養ってやっぱり第一にはたんぱく質なんですよね。

しかし、実際に見てみると確かに

1 豚肉の赤身(焼き)……39.3g
2 若鳥の胸肉(皮を除いた場合)……38.8g
3 豚もも肉(皮下脂肪のない部位のみ)……30.2g

のような特定の部位に限れば、比較的たんぱく質の多い部位が存在します。同量食べた場合に、これほどたんぱく質の比率が高いのは魚では見当たりません。

しかし、それ以外の肉類(牛肉も含めて)においては、たんぱく質の摂取量は魚と比較しても同程度で、たいていは100g中20g台です。部位によってはそれ以下になるものも見られます。

つまり、全体的に言って肉と魚って、たんぱく質量で言うとほぼ互角なんですね。

ただし、肉と魚ではたんぱく質を構成している【アミノ酸のバランス】がかなり異なるので、肉ばっかり、魚ばっかり……と言うように極端に偏りすぎるのもよろしくないと思います。

たんぱく質以外の面も含めて、やはりいろんな食材をバランスよく食べるというのは栄養面での基本ということになるでしょう。

魚を焼くとたんぱく質が変性する?

ところで、先ほどは魚の「生」の状態の身の部分についてランキングを見たわけですが、それは魚は生で食べると最も消化効率が良いとされているからです。これはお刺身やお寿司が好きな人にとっては大歓迎ですよね?

あるいは、魚の生食が慣習になっている日本人の特権とも言えます。

それは良いのですが、実際には魚は生食以外にも煮物、焼き物、てんぷらに唐揚げ、フライ……どれも捨てがたいです。

でも魚を焼いた場合や煮物にした場合、含まれるたんぱく質はどうなるのでしょう。

実際に計測すると、焼いたり煮たり、揚げたりすると食品中のたんぱく質の含有量は若干減少傾向を示します。

これは調理の過程で脂や煮汁の中に漏出してしまう分が相当あると推測されます。

これは確かに発生するでしょう。だから煮汁を有効利用したほうがいいとか思うわけですが……でも、漏出と言ってもたとえば半減するとかそういう大きなレベルではないので、お好み次第といったところでしょう。

しかしそれ以外に、タンパク質の「熱変性」という性質を考える人もいるかもしれません。

たんぱく質というのは加熱によっていわゆる「変性」を起こします。つまりタンパク質の構造が加熱によって破壊されてしまうのです。

だから、生の状態じゃないと実質的にたんぱく質がなくなってしまうのではないか……と思うかもしれませんが、実際にはその心配はあまり必要ないようです。

なぜなら、タンパク質というのは「アミノ酸」が複雑に結合したもので、もし調理によって食品中のたんぱく質の構造が崩れるとしても、それは

「アミノ酸どうしの結合のしかた」

が変化するという意味であって、たんぱく質を構成しているアミノ酸それ自体(一次構造)は変化しないからです。

タンパク質はどっちみち食べたら体内で消化され、いったんすべてアミノ酸の状態にまで分解されます。要するに、たんぱく質を食べているというのは、事実上アミノ酸を摂取しているというのと栄養的にはほぼ同じことなのです。

ですから、もっと細かく研究したりすれば特有の効果や影響などが発見されるかもしれませんが、今のところ大まかに言って、タンパク質に関しては加熱しても栄養的に大きな変化はないと考えられるのです。