プロテインの種類の違いと効果

市販されている「プロテイン(protein)は、大きく分けて3つの種類があります。

プロテインの種類① ホエイプロテイン

「ホエイ(whey)」とは、牛乳の成分のうち、脂肪分とガゼインを分離した「残り」として生まれる水溶性のタンパク質です。日本語では乳清、或いは乳漿とも言います。

ホエイプロテインの特徴は、

① 消化吸収が早い
② 「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」の比率が高い
③ 【同化作用】が強く、タンパク質合成をより促進する
④ 同時にカルシウムなどの無機栄養分を多く含む
⑤ ビタミンB群を多く含む

といった点です。

また、乳製品を加工する際に大量に得られ、抽出、加工技術も向上したため飲みやすく、現在では比較的安価で手に入ります。

ただしホエイプロテインは特に、溶かしてからの変質が早いので長時間放置すると食中毒を起こす危険性があります。まあ、もともとが牛乳みたいなものですから想像つきますよね?

粉末状の製品はふつう水や牛乳などで溶かして飲むと思いますが、作ったらすぐ飲むようにしましょう。ちなみに、大手メーカーの「サバス(明治)」などでは専用のカッコいい(?)ボトルも販売していますが、ふつうのペットボトルや水筒のようにドリンクを持ち歩くためのものではないので、出かけた先で使う場合などは粉末のまま持って行って飲む直前に溶かしてすぐ飲みましょう。

また、ホエイ成分にアレルギーを持っている人もいます(特に日本人にはホエイアレルギーの比率が高い)ので、使用する前に確認したほうがいいです。

プロテインの種類② カゼインプロテイン

「ガゼイン(casein)」は牛乳の中にある乳タンパク質の約80%を占める主要成分を指し、チーズなどの乳製品を作る際の主原料です。

ガゼインは

① 腸の動きを控えめにする働きがある
② ホエイと比べると消化吸収にかかる時間がかなり長い(4時間~7時間)
③ カルシウムイオンやナトリウムイオンと結合しやすい

というのが特徴です。

ただし、ガゼインは

α-casein(アルファ カゼイン)
β-casein(ベータ カゼイン)
κ-casein(カッパー カゼイン)

とさらに種類が分かれます。このうち、α-カゼインは人間の母乳にはほとんど含まれておらず、牛乳アレルギーを起こす原因物質と見られています。

プロテインの種類③ ソイプロテイン

大豆たんぱくを原料とするプロテインです。大豆に含まれるタンパク質は植物性でありながら必須アミノ酸のバランスが整った「アミノ酸スコア100」のタンパク質です。

消化に時間がかかる傾向があり胃腸の負担は増しますが、その分満腹感が持続する傾向があるのでダイエット目的に用いる人も少なくありません。

また大豆タンパク質は苦み成分を発生させ、独特の風味があり好き嫌いが分かれるところです。

プロテインの種類④ 特定の成分を強化したプロテイン

自然のタンパク質をより消化しやすいペプチドにまであらかじめ分解してあるものや、タンパク質合成を促進し、運動による筋肉の炎症の抑制効果の高い必須アミノ酸であるロイシンや、筋力の増強を促進するグルタミンなど特定の必須アミノ酸の含有比率を高めたもの、カルシウムや鉄分、あるいはビタミンDといった成分を補助的に配合したものなど、各メーカーから目的や用途に合わせた強化型のプロテインも発売されています。

また、プロテインというのはどうしても

「あまりおいしくはない」
「粉っぽくて飲みにくい」

ものというイメージがありましたが、現在ではどのメーカーも飲みやすさを追究して次々に改良を加えており、フレーバーもいろいろ選べます。

……と、だいたい分かったところで、では実際にどんな種類のプロテインを選んだらよいのでしょうか?

プロテインの効果① トレーニング効果(筋肉を付ける)

通常、成人の方が必要な栄養としてのタンパク質は1日に50~70gくらいです。タンパク質というのは何も肉だけではなく、魚や穀物、野菜など多くの食品に含まれているので、通常に1日3食の生活をしている人なら食事だけでも十分まかなえる量です。

しかし、スポーツ選手や筋力トレーニングをしている人は、一般の人に比べて必要なたんぱく質量がかなり多くなります。通常、アスリートや体を鍛えている人は体重1kgあたり2g程度のタンパク質を毎日摂取する必要があると言われています。

体重60kgの人でも1日120gです。体格や種目によってはもっと必要になります。

当たり前ですけど、肉を120g食べればいいんじゃないですよ?

部位にもよりますがふつう肉とか魚に含まれるたんぱく質量は100g中20~30gです。ということは、たとえば肉なら肉を毎日600~800g食べないといけないことになりますね。

もちろん、他の食品も合わせながらということになりますが、でも体重が60kgだとしてもこの量ですよ? 実際のところ、ウエイトトレーニングとかしてる人って、そもそも体大きいですよね? ……どんだけ食べればいいんだと。

もしこれを全部を食事からとるとなりますと……同時に脂質や炭水化物なんかも相当量食べることになってしまうわけで、これはむしろ健康に悪い。これじゃあ、あえて不摂生な暴飲暴食をし続けるようなもの。

……そこで登場するのが「プロテイン」というわけですね。

プロテインは、当然ですが脂質、糖質など過剰になりがちなものはあらかじめ排除した、いわばタンパク質のかたまりみたいなものです。みたいなものって言うか……そのものです。

また商品ごとに、たとえばタンパク質の消化吸収をより高める成分などを加えて調整されているものも多くあります。

たいてい、筋肉をつけたい人、トレーニングなどをしている人などは、ホエイプロテインとガゼインプロテインを合わせて使うか、あらかじめ両方が配合されているプロテインを用います。

それは、ホエイは素早く吸収されるのに対して、ガゼインプロテインは消化吸収が比較的長時間に渡りますので、いわば即効性と持続性が両方得られると考えられるからです。

イメージとしては、とりあえず素早く栄養補給しつつ、運動によって疲労、損傷した筋肉繊維の復旧を開始するためにホエイが働くわけですが、ガゼインが同時に入ることによってその後、休息の間にも筋肉は時間をかけてより確実に復旧され、じっくりと増強されていきます……と書くと、いかにも筋肉付きそうなイメージですけど、これは「運動」をすることが前提です。

プロテインの効果② 痩せる(引き締め)

最近はダイエット目的でプロテインを愛用する方も増えていると言います。

タンパク質をたくさん摂ったら逆に太っちゃうんじゃないの? ……と思うかもしれませんが、もちろん余計にたくさん摂取すると痩せるという意味ではありません。

ダイエット目的で食事制限したり、カロリー消費のために運動を取り入れたりする際、最も不足しがちになるのがタンパク質なのです。単純に食事量を落とせば脂質や糖質とともに結果的にタンパク質の摂取量まで少なくなってしまう……それをプロテインを用いることによって調整できるわけです。

ダイエットを目指している人は主に「ぜい肉=脂肪」を減らしたいと考えているわけですが、ふつうにすべての栄養の摂取を抑えるようなダイエット方法では、脂肪よりも筋肉のほうが先に消費されて減少しやすい傾向になります。

さらに困ったことには、筋肉量が減ってしまうとすぐに疲れやすい体になり、定期的な運動を続けて頑張るのがつらくなったり、日常のちょっとした動作でも億劫になったり……これではカロリーの消費という観点で見ると逆効果ですよね。

また、そもそも人間が最もカロリーを消費するのは意識的な運動よりもむしろ「基礎代謝」です。

基礎代謝とは、たとえば呼吸、血液循環、消化など特に意識しなくても体が生命活動を維持するために行う活動です。基礎代謝に費やされるカロリーは平均的には一般の成人で1日に女性なら約1,200kcal、男性なら約1,500kcalくらいあります。これは、意識して体を動かしたりしなくても日々勝手に消費されてしまうのです。

基礎代謝の活発な人のことを、私たちはいわゆる

「太りにくい体質」

と言っているわけですが、基礎代謝が落ちればこれと反対に

「太りやすい」

ということになります。

人間の基礎代謝はもちろん内臓や脳など、あらゆる部分で行われていますが、そのうち約18%が筋肉によるものです。筋肉量が一気に落ちてしまうと基礎代謝まで落ちてしまいむしろカロリーが消費しにくい体になります。多くの場合、それがダイエットの挫折やリバウンドにつながるのです。

適切にタンパク質を補いながら継続的にダイエットを実行すれば、憧れの

「私って、食べても太らない体質なんですよね~(笑)」

……が手に入る、かも知れないです。

イメージ的に良いというのもありますが特に女性向けの商品には「ソイプロテイン」を中心素材としたものが多いです。同時に、ダイエット効果が期待されるさまざまな成分(すべてのビタミン類、カルシウム、鉄、マグネシウムなどダイエット中に不足しがちなミネラル、あるいはガルシニア(HCA:ハイドロキシクエン酸)やコラーゲンといった成分を強化配合したものなど、各種あります。

プロテインの効果③ 美容効果

タンパク質はもちろん筋肉だけではなく皮膚や爪、髪など体のあらゆる部分で組織を構成する主要な成分です。また、ホルモンや酵素、免疫機能の維持にも必要ですから、ダイエット中とかに関わらず十分に補うことが望ましいのです。

通常、女性向けの商品としてのプロテインには、抗酸化作用のあるビタミンC、基礎代謝力を改善するビタミンB群や、特に女性に不足しやすいカルシウムや鉄分など、ダイエットの際に不足しがちな他の有効成分が配合されているものが多くあります。

プロテインの効果④ 健康のため(栄養補給)

もちろん、むやみやたらに飲みまくれば良いというものではありませんが、特に中高年以上の高齢者にとって深刻なのが、知らず知らずのうちに陥っている栄養不足です。

一般に高齢者になるほど食事の量自体が少なくなり、さらに毎日食べるものが限られてきます。特に、肉類を食べる機会が若いころに比べて激減する場合が少なくありません。

これには、食欲そのものが減退していること、歯が悪くなってたんぱく源の主力となる肉などを避けがちになる等の理由があります。

また、昨今では家族構成や社会環境の影響から、なるべく食事自体をかんたんに済まそうとする傾向があったり、さらに、たとえば「肉はコレステロールを増やす」とか「魚の脂質のほうが優良」といった情報を聞く機会が増え、とにかく肉はなるべく食べないほうが健康に良いというようなイメージが強くなり過ぎていることなども関係しているでしょう。

高齢者は特にタンパク質摂取量が少なくなりがちで、しかも自分なりにはきちんと健康的な食事を摂れているという認識でいることも多いので、不足している事実に気がつきにくい面もあります。

多くの場合、たとえば筋肉が落ちたり体重が減ったりしたことに気が付いても

「まあ歳のせいかな……」
という感じで受け止めてしまいがちです。あるいは、逆に体重が落ちたことを良いことだと感じて喜んでいる場合もあります。そうなると栄養不足などとは自覚できないことが多いでしょう。

他の栄養素もそうですが、特にタンパク質の不足は体重の減少、筋肉の衰退、疲労感の増幅や集中力低下、運動量の不足や日常生活動作の固定など、身体的な問題、弊害に直結します。

一言で言うと、タンパク質が不足しているほど

「老け込みやすい」

と言えるかもしれません。

むしろ、年齢が上がるほど意識的に栄養バランスを意識しなければならないし、特にタンパク質の摂取量を適切に確保することは非常に有効です。

……と言っても、タンパク質は単にたくさん摂取すればいいというものでもないので、食事の量や質をコントロールすることは実は高齢者になるほど難しいことになっていくかもしれません。

世の中には長生き効果のあると言われる健康食品やサプリメントなどはたくさん出回っていて、高齢者向けの商品も多数ありますよね?

それと同じように「プロテイン」も有効に用いることができるのではないでしょうか。

プロテインはいろいろな種類のものを使い回すのがおすすめ

タンパク質は、特に体を鍛えたりする場合でなければ、毎日だいたい、体重1kgに対して1gくらいを確保するのがちょうど良いです。そしてもちろん、通常の食事からも相当量摂取していることも考慮すれば、そんなにガンガン飲まなくてもいいのです。

タンパク質はむやみに多く摂取すればカロリーオーバーになるとともに、消化の負担が増すだけなので意味がありません。

また、同じ種類のプロテインだけを続けて摂取していると、特定のタンパク質に反応する酵素だけが消費され、次第に消化する力が弱まっていくと考えられます。すると、腸に炎症が起きたりアレルギー症状が出やすくなったりします。

なので、定期的にプロテインを飲まない日を作ったり、あるいは、何種類かの異なるプロテインを用意して、順繰りに飲んだりすると負担が軽減されるはずです。

あるいは、消化を助ける他の成分が配合されているものや、初めからある程度タンパク質が分解されているもの、つまりアミノ酸そのものが強化されているものなどを選ぶのも良いでしょう。

いずれにしても、健康のために用いるならば、あくまで食事のほうがメインであることを意識して、過剰にならない程度に使いましょう。