痛風だけは嫌だ! プリン体と尿酸の新常識

痛風を予防するためには、プリン体の摂取を控えることが大切……と言われてきましたが、最近になって、それだけをことさらに気にしてもあまり効果がないということが分かってきたようです。

たとえば尿酸値を上昇するものはプリン体に限ったわけではなく、フルーツなどに含まれる果糖は尿酸の生成を促進してしまうので控えたほうが良いことになります。

果糖といえば、天然の果実だけでなく市販の多くの清涼飲料水や缶コーヒー、チューハイなどに添加されていますので、特に現代では中高年だけでなく若年者も注意が必要です。

アルコールそのものに注意

ビールにプリン体が多いというのはよく知られており、最近はプリン体成分をカットしたビールや発泡酒も各メーカーから出ていますね。

ただし……いくらプリン体をカットしたからと言っても、実はそもそもアルコールそのものに尿酸の排出を抑える働きがあります。つまり、たとえビールではなくとも、プリン体何%OFFであったとしても毎日一定量以上の酒類を飲み続けているならば尿酸値は上がる傾向にあります。

プリン体は体内で作られる

このように、もちろん、プリン体をはじめ尿酸の生成を増加させるような食品を習慣的に多く摂取することは控えたほうがよいでしょう。

しかし、実はプリン体というのは、その8割が体内で作られるものなのです。逆に言うと、そもそも食事から取り入れているプリン体は全体の2割程度にすぎません。

プリン体というのは一面では細胞核などの原料になる体にとって不可欠な構成物質なので、人体では常に新たなプリン体が作られては廃棄され、肝臓で尿酸に変えられて排出される……という流れを繰り返しているのです。

ですから昨今の研究の結果としては、むしろ尿酸をいかにスムーズに排出するかということのほうに視点が移っているようです。

尿酸値を下げたいなら

尿酸の排泄を助けて痛風の発症リスクを下げる効果があるものとして代表的なものとして、牛乳やヨーグルトといった乳製品が挙げられます。牛乳ならば1日に1杯程度でも十分ですが、これを継続的に毎日摂取することで痛風リスクはかなり抑えられます。

また、アメリカの研究では、コーヒーの摂取量が多いほど痛風発症リスクが低いという報告があります。

ただし、コーヒーの場合には1日に3杯とかそれ以上の量を摂取していることが条件となっているので、カフェインの摂り過ぎによって別の問題を生じる危険性があります。この報告では効果があるのはカフェインではないとされており、カフェイン抜きのいわゆる「デカフェ」コーヒーでも効果が期待できます。

さらには、習慣的にアルカリ性食品を取り入れることも効果的です。なぜなら尿酸は酸性なので、できるだけ尿の pH を高く保つことで同じ尿の量であっても溶解する尿酸の量が増えて排出を促進することになるからです。

アルカリ性食品として代表的なものは根菜類、キノコ類、海藻類です。

ただし、キノコ類のうち干し椎茸などは一方ではプリン体の含有量が多いものとして挙げられる食品です。これも、シイタケに含まれるプリン体は尿酸の発生を促進しないという研究もありますが、気になる場合はそればかりに偏らないようにしましょう。

特に肥満体質の場合にはインスリンの過剰な状態が常態化することで尿酸の排出が阻害されやすい傾向があるそうです。

風が吹いただけでも痛いと怖れられている痛風。もはやプリン体さえ避ければいいというような認識ではいけません。つまり他の生活習慣病と同様、プリン体に限らず食事のバランスと全体量を適度にコントロールしたり、適度な有酸素運動を生活に取り入れることが痛風の予防にも大変有効なのです。

腎機能の良し悪しが痛風になりやすさを左右する

上記の通り、痛風の大きな原因は習慣的な食生活の偏りです。

しかし、もうひとつ大きな原因として

「腎機能のキャパシティ」

があります。

尿酸の排出を直接に行うのは腎臓ですが、そもそも腎臓から尿酸を排せつする能力にはかなり個人差があり、これはほぼ遺伝によって決まります。もともと排泄量が少ない人は当然に尿酸値が上がるため痛風になりやすくなるのです。

また、糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病は腎機能にもきわめて大きな影響を与えます。もちろん腎臓に関連する血管の動脈硬化が進むだけでなく、より多くのインスリンの分泌を必要としたり、血圧を抑制したりするためにさらに腎臓に大きな負担を強いることになります。

すると、結果として尿酸の排出能力は低下して尿酸値が上昇しやすい状態になってしまいます。