さんまの「わた」には栄養ある?

秋刀魚(さんま)と言うと、DHA、EPAといった青魚に特有の栄養素が豊富な魚で、健康にも良いイメージがありますが、あなたはいわゆる「わた(内臓みたいな部分)」を避けて食べる派ですか?

秋刀魚の焼いたのなんか食べるときには、私はむしろあの「わた(はらわた)」の部分が好きです。

あの「わた」の部分には特に栄養が集中していますので、焼き物や煮物で出された際にはできればいっしょに食べて、

「うん、やはり秋刀魚はワタがうまいな」

と食通ぶってみましょう。

「わた」とは

「わた」とか「はらわた」と言っているのは魚の内臓の部分で、あの独特の苦みは主に心臓と肝臓に含まれる血液成分です。さんまの場合には特に、腸に当たる部分が短く単純な構造をしています。このため秋刀魚は食べたものの消化が早く、食されるときには内容物がほとんど残っていません。

お刺身にする場合などは当然取り除くことになりますが、1尾を焼き魚として食べるときにはどうでしょう。各ご家庭で様々かもしれませんが、私が生まれ育ったところでは「わた」もそのまま焼いて食べるほうがふつうだと思います。

苦いのでお子さんだけでなく大人でも箸でより分けて残す人がいますが、私たち魚好きから言わせれば

「え、そこが美味しいのに」

と言いたいわけです。

また、煮つけなどにする場合には味が崩れるという理由からはらわたを取り除くかもしれませんが、もし嫌いでなかったら、煮汁にわたを入れて、さんま独特の味を活かしてみるのも一つの手です。

特に「苦み」が苦手な人は、心臓、肝臓がある頭側半分くらいを避ければ、後ろの半分はそれほど苦みはありません。

……って言っても、嫌いな人にそんなことすすめても食べるわけないかと思いますけど。

秋刀魚の栄養

まず、青魚なので全体として血栓を阻止し、血液をきれいにするEPAと、脳や神経に存在し活動を促進すると考えられているDHAが豊富です。

また、ビタミンA、B2、D、Eと多様で豊富。さらには鉄分、カルシウムなど。

もちろん、旬で脂ののったもののほうがさらに豊富な栄養を含んでいます。

「わた」には特に栄養素が集中している

カルシウムや鉄分、ビタミンA(レチノール)はもちろん秋刀魚の身にもありますが、はらわたの部分に特に集中しています。

寄生虫の心配は?

魚の内臓には寄生虫が住んでいることがあります。

しかし、さんまによく寄生する寄生虫はほとんどが、もし食べても人体には寄生しないものなので特に心配はありません。また、多くは秋刀魚の表面から一部が露出しているため、ほとんどの場合出荷する前に除去されています。

まあ、たまにワタの部分に寄生しているもので、2~3ミリあるので目に入ってしまう場合もあります。食べても問題はありませんが……それはさすがに取り除くでしょう。でも、取り除いた残りは食べてもぜんぜん平気です。というか、本当は気が付かないまま食べたところで平気です。

なので、特に心配はありません。

ただ、最近話題の「アニサキス」は別です。

アニサキスは幼虫の時、サバ、アジ、イワシ、サンマなどの青魚の内臓に寄生する例が多いのでワタの部分は注意が必要です。また、鮮度が落ちたものでは内臓から別の部位に侵入している場合もあり得ます。

……と言っても、アニサキスの幼虫は70℃以上の熱を加えれば即死しますので、通常、焼き物や煮物であればまず心配ありません。

お寿司や刺身の場合には、まったくないとは言い切れません。

アニサキスの幼虫は体長1センチほどあり、白いひもが巻いたような形状をしています。よく見れば目でも見えますので、さんまを食べるときには、まず「目で味わって」から舌で味わうという風情で行きましょう。