お茶は血圧を下げるのか?

血圧が高めと言われて、お茶だけで血圧を気軽に下げることができるならと、日ごろ飲むお茶を変えてみた人も多いと思います。

一般的にお茶は健康に良いというイメージがあります。

最近はお茶だけに限らずトクホ(特定保健用食品)の飲料もバリエーションが豊富になり、さまざまな効能を誇る健康茶がずらっと並んでいます。

とは言っても……。

私のようにそもそも健康なことなんて何ひとつしていなかった不摂生を絵に描いたような人種の人々は

「お茶飲んだくらいで血圧下がるんならだれも苦労しないよ」

なんて言って、身に染み付いた不健康な習慣を、改めようとはしないのです。

そもそも、お茶飲んで血圧下がるのか?

でも、もしそうなら……じゃあ別に特保じゃなくたって、ふつうのお茶飲んどけば十分なんじゃないの?

などと話を混ぜ返す、そんな素直じゃないボクたちは、まずお茶の何が血圧に良いのかというところから話を始めないと納得できないのでしょう。

お茶と言うけれど、お茶もいろいろある

だいたい、お茶と言ったらふつうは緑茶が思い浮かびますが、実際には麦茶もあれば烏龍茶もあります。

最近は杜仲茶、ジャスミン茶、玄米茶……何かしら体に良いようなお茶がたくさん。

そうだ、そもそも烏龍茶というのは健康や美容に良いというフレコミで日本の市場に登場したはずでは?

それに、紅茶だってあるし。

まずは「お茶」について初歩的なことから知りたいところです。

やっぱり「カテキン」が健康に良いらしい

緑茶は日本茶とも呼ばれるようにわが国では昔からごく一般的なお茶です。烏龍茶や紅茶と同じ、茶樹(チャノキ、あるいは単に茶と呼ぶ)というツバキ科の植物の葉を使った飲み物です。

お茶の成分の中でも最も注目されるのはやはり、健康音痴の私でも知ってる「カテキン」です。

私自身は今まで、カテキンはとにかく健康に良いから、当然血圧にも効くと勝手にイメージしていました。

カテキンとは、ポリフェノールの一種で、細かく言うと緑茶に含まれるポリフェノールはエピガロカテキンガレート(EGCg)など4種類が確認されており、これを一般にカテキンと呼んでいます。

ただし、烏龍茶は紅茶は茶葉を発酵させる工程があるのですが、発酵させると葉に含まれているカテキンが変化を起こしてしまい、含有量が減ってしまうと言われています。

緑茶の製造では摘み取った茶葉を加熱してはいますが、葉を発酵させる時間がごく短いのでもともと含まれているカテキンが多く残っています。

その茶葉を熱湯に浸して抽出しますから、カテキンたっぷりというわけです。

(ただし、緑茶の中でも「玉露」の場合は光合成をさせないのでもともとカテキンの含有量が少ないです)

ただし、最近の研究では、たとえば紅茶はカテキンの総量は激減しているとしても、一方で、発酵させるがゆえに生み出される別の形のカテキン(テラフラビンなど)を含有しており、それはそれで糖質分解作用など特有の効果が確認されているようです。

ですから、たまには紅茶も飲んだり、他のお茶も飲んだり……お茶って単純なようでいて考えれば考えるほど奥の深い飲み物なんだなあと実感しました。

カテキンは血圧を下げるのか

緑茶に含まれるカテキンの効果については現在時点でもさまざまな効果について研究が続けられていますが、中でもある程度確実と思われるのが

・抗酸化作用

・脂肪燃焼

・殺菌作用

で、いずれも生活習慣病を気にする私たちにとっては注目に値するものばかりです。

「抗酸化作用」

呼吸によって取り入れた酸素が体内で利用される過程では、その一部が「活性酸素」となって残り、これが人体の各組織を傷付けたり、コレステロールの酸化を進めて老化や動脈硬化を進行させる原因になります。

緑茶に多く含まれるカテキン成分はビタミンCやビタミンEの数十倍以上の抗酸化力を持つという研究もあり、生活習慣病の予防、改善に高い効果があると考えられます。

「脂肪燃焼」

カテキンの主成分であるエピガロカテキンガレート(EGCg)が体内の脂肪の消費量を増やして体脂肪を減少させると同時に、脂肪を分解する機能を持つ酵素を活性化させます。

「殺菌作用」

お茶に殺菌作用があることは、昔から生活感覚としては受け入れられてきましたが、近年の研究によってその検証が進んでいます。

ごく一般的な細菌であるサルモネラ、黄色ブドウ球菌などのほか、呼吸器や腸に感染を起こすチフス菌や肺炎マイコプラズマ、あるいは最近話題になることが多いピロリ菌や、インフルエンザウイルスに対する効果も確認されているそうです。

血圧を下げる効果とは?

……って書いてた途中で少し疑問が。

カテキンの効果についてはたくさんの情報があって何となく納得できました。確かに体に良いということは分かります。

そして、脂肪燃焼の効果については特定保健用食品として表示の許可を取得しているお茶がありますので、その点では信頼性が高いと言えるかもしれません。

で、これがどうして血圧を下げることになるのかな?

……と考えて、前に勉強したことを思い出しました。

そもそも、高血圧の何が問題かと言えば、

① 動脈硬化を進めること
② 動脈硬化が進んでいる場合に、その合併症のリスクを高めること

……この2点だったはず。

そして、血圧が上がる要因は

① 血管壁の柔軟性が失われている
② 血流が多くなる
③ 血液の濃度が上がる
④ 心臓に大きな負担が継続的にかかっている

といったことでした。

これらが慢性化することによって互いに関連しながらあなたは高血圧への階段をどんどんどんどん登って行くことになるわけです。

ですから、これらの要因を低下させることができるならば、それはすなわち血圧を下げる方向に効果があるという意味です。

となると。

「抗酸化作用」

抗酸化作用とは活性酸素の発生を抑制するということ。活性酸素による血管壁への攻撃を緩和し、同時にコレステロールの酸化をも抑制するということです。これつまり血管壁の硬化、あるいは血管の狭窄を阻止する方向に働くということですね。

そして

「脂肪燃焼」

これは、動脈硬化のもととなる血中のコレステロール量を減らすことですから、血管壁の異常の発生率を下げ、同時に血液の濃度を下げることにもなります。

コレステロール量が増えることは、白血球の活動機会も増やします。白血球に含まれるマクロファージによる血管壁内での処理が増えれば動脈硬化の要因であるプラークの形成が促進される材料になるので、結果的には血圧を上げる遠因を作っていることになるのです。

「殺菌作用」

うん、これ自体は感染症や食中毒といった点では関係がありますが、直接的に血圧に関係あるとは言えないかもしれません。

しかし、まったく無関係かというとそうでもありません。間接的な効果と言ったほうが良いかもしれませんが、もともと体が備えている免疫機能を補助しているという意味では確かに血圧の上昇抑制に貢献していると言えます。

免疫機能が発揮される際には、人体にはより負担がかかることになるからです。感染症に対抗する場合、または症状に至らないとしても入り込んだ有害な菌を攻撃し排除するためには、それだけ

・血流が多くなる
・心臓に負担が大きい

ということになるのは避けられませんから、その負担をあらかじめ軽減しているという意味では、その分血圧上昇の機会を減らしていると言えなくもない……まあ、これはちょっとこじつけっぽいですかね?

とにかく、そもそも血圧というものは血糖値や脂質異常をはじめさまざまな体内環境や生活習慣と密接に関連して、上がったり下がったりするものでしょうから、

「単純にこれ飲んだら血圧下がる!」

……という意味ではないにしろ、緑茶に含まれるカテキンの効果についても十分に期待は持ってよいのではないか……というのが私の印象です。

注意すべき点

ですが……これは裏を返せばですね。

私が調べた範囲ではお茶に含まれるカテキンが直接に

「血圧を下げる機能を持つ」

という、はっきりしたエビデンスは見つからなかったということです

特定保健用食品の表示においても、茶カテキンは脂肪の分解、消費については明示されていましたが、血圧に関する記述はひとつもありませんでした。

血圧を下げるトクホのお茶は緑茶じゃなくて「胡麻麦茶」

もちろん先ほど言ったように、一般的に考えて体脂肪率や脂質異常症が改善されれば連動して高血圧にも良い影響が出るという推測は成り立つのですが……今のところそれを明記している緑茶はないらしく、従って

「緑茶のカテキンが血圧を下げる」

と、ストレートに謳うことはできないようです。

(ただし、たとえば「大正製薬の健康緑茶」のように、緑茶の中に別の「血圧に効く成分を配合した」ものはあります。カテキンが血圧に効くのだとは言っていませんが)

またこれは注意すべき点として、カテキンは過剰に高濃度のものを摂取し続けた場合に肝機能障害などの副作用が疑われるという報告もありますので、あんまりむやみにたくさん飲めば飲むほど良いというものでもありません。

カテキン以外にも、お茶に含まれる成分の中には、あまりに多量に摂った場合には良くない影響が出る可能性が示唆されているものもあります。

「カフェイン」

よく知られていることですが、緑茶にも含まれるカフェインは若干の依存性があり、飲み過ぎると心拍数が増加したり吐き気などの症状が出る可能性があります。また、特に妊婦さんはカフェインの摂取を控えたほうが良いと言われています。

なので、最近はいわゆる「デカフェ(製造過程でカフェイン成分を抜いてある)」と称する飲料も増えていますね。

「タンニン」

タンニンもカテキンの一種ですが、過剰摂取すると腸の粘膜が刺激されます。また、薬やサプリメントの効果を抑制してしまう作用があります。よく薬をお茶で飲んではいけないと言われますが、このためです。

「シュウ酸」

シュウ酸とは野菜などにも含まれているものですが、カルシウムと結合する性質があるのであまりに過剰に摂取すると結石の原因になるとも言われています。

……と言っても、お茶だけでシュウ酸を過剰になるほど摂取するには、とんでもない量を飲まなければならないことになり、気にする意味はないという説もありますが。

いずれにしても、こういった、健康に良い、悪いという研究というのはどれをとってもそうかんたんに白黒つくような性質のものではありません。

ですから、どんな食品であれ「適度に続ける」というのが、最も効果的な……気がします、私は。

麦茶の効能

カテキンに注目すると、どうしても含有量の多い「緑茶」に視線が集まります。

しかし、ではもう一方の日本の代表的な茶であるところの「麦茶」はどうなのかと。

一般にいわれる麦茶の最大の特徴は

「カフェインがない」

ということですよね?

つまり、お茶の中でも最も安心できるのが麦茶の利点です。

ところが、昨今意外なことに、この麦茶のすごいパワーが研究などによって改めて注目されているらしいのです。

……ただ、それはまた別の機会に調べたいと思います。っていうか、いろんな情報があり過ぎて勉強し切れません。

だってお茶って、知れば知るほど奥が深~い飲み物なのですから。(千利休か!)

あと、関係ないんですけど……私は基本的には、やっぱり温かい緑茶が大好きです。