ビタミン不足を解消する食べ物と、食事習慣

体の健康のためにはビタミンが欠かせない……とは思っているけど、イメージだけ先行して具体的には意外に知らないビタミンのある食べ物。

「ビタミン=緑黄色野菜」

でしょ?

……ってそれ、ビタミンCだけの話じゃない?

実は、私たち意外と知らないんですよね?

単に野菜をたくさん食べればいい……という話じゃないようです。

人間に必要なビタミン(Vitamin)の種類

「ビタミンA」

ビタミンAというとふつうはまずβ-カロチンなど、ニンジンやほうれん草といった緑黄色野菜に入っているものを思い浮かべるかもしれません。しかし、実はβ-カロチンは摂取されて体内で

「レチノール」

という形に変換されることで初めて機能します。実際にはこのレチノールがビタミンAの機能を持つのです。

ところが、実は「レチノール」という成分は野菜などよりも魚介類や畜肉のほうが断然多く含まれています

というのも、レチノールは動物が体内に持っているものなので当然人間の体の中にも存在しており、血液中に存在しているほとんどのビタミンAはレチノールの形だからです。

ちなみに、むしろビタミンAというのは過剰に摂った場合には副作用が出る例が知られており、特に妊娠中にはビタミンAを過剰に摂取すると奇形の確率が増加すると言われ、摂取が制限されます。

さらに、一度に極端に大量に摂取すると「ビタミンA中毒」という症状をを起こす例もあります。中毒になると急性の腹痛や嘔吐、めまいや全身の皮膚がはがれる症状が出ます。

もちろん通常の食事では、それほど極端な量のビタミンAを摂取する可能性はほとんどありません。たとえば、野菜をどんなにがっつり食べたとしてもβ-カロチンの摂り過ぎで中毒になることは考えられません。

しかし、処方されたビタミン剤やサプリメントを常用する場合などは容量を超えないように注意が必要です。

魚についても通常食べる部分に関してはほとんど心配は必要ないのですが、たとえばマグロやカツオといった大型の魚の肝臓には多量のレチノールが凝縮されているので一度にたくさん食べるとビタミンA中毒を起こす可能性があります。

特に過去には「イシナギ(モロコともいう)」という魚の肝臓を食べてビタミンA中毒を発症する例が多かったため、現在イシナギの肝臓は食用にすることが禁じられています。

「ビタミンB群」

ビタミンB群は水溶性ビタミンなのでたくさん摂ったからと言って体内にため込んでおくことができず、余分なものはすぐに体外へ排出されるものが多いです。その意味ではサプリメントを用いるのも有効ですが、食事で補うとすれば一気にまとめて食べるのではなく、日々の食事の中でいつも一定量を摂取し続けるような習慣が必要です。

それぞれについて見ていくと、まずビタミンB1はコメや小麦を始め多くの食品から摂取できます。ビタミンB2は肉や魚、卵や豆類……つまりたんぱく質を含む食品にはたいてい一緒に含まれています。

B6は多様な食品から摂取できますが、魚の中ではマグロなどの赤身や、血合い部分にも比較的多く含まれるビタミンです。

B7(ビオチン)はイワシやニシンなどに比較的多いですが、そもそも欠乏することがほとんどありません。B7が欠乏する理由として多いのは腸内細菌の不全か、生の卵白の食べ過ぎ、あるいは先天性の疾患など、いずれも特殊な状況のみです。

つまり、B1、B2、B6、B7……これらについてはふつうに食事をしていて不足する心配はほぼないと考えてよいでしょう。

よって特に不足が問題になるのはそれ以外のB3、B5、B12です。

ビタミンB3(ナイアシン)は野菜類にも含まれていますがその量はごく微量で、むしろ多くの魚とキノコ類のほうが断然多く含まれています。

B5(パテントン酸)は魚介類では「さけ・ます類」の魚やすけそうだらのたらこ、うなぎの肝など特に多く含まれるものはありますが、それ以外にレバーやしいたけに特に多く含まれます。

B12は秋刀魚やニシンに多く、赤身や血合い部にもあります。また、あさり、シジミなどの貝類に多く含まれています。

……これらの不足しがちなビタミンB類は、実は野菜を増やすことでは解消されません。魚介類やキノコなどを適度に食事に取り入れることで上手に摂取することができるのです。

また、ビタミンB1~B12(ビタミンB群)は、互いを補完しながら連鎖的に反応するので同時に摂取することで互いに働きやすくなります

ですから、なるべくバランスよく同時に食べるのが好ましいです。ですから、日常的に主食、副菜などを考慮して多品目食べるような食生活の習慣が最も効果的です。

「ビタミンC」

ビタミンCはたらこやすじこなどの魚卵にも含まれますが、もちろんそれだけでビタミンCを補おうとするのは非現実的です。ビタミンCは当然、野菜や果実のほうが圧倒的に多いです。

「ビタミンD」

ビタミンDはカルシウムの吸収を補佐する機能があり、魚類やきのこ類に多く含まれています。特に、魚は同時にカルシウムも多く含むので吸収効率が上がり、骨や歯の健康にとって理想的と言えます。

また、よく知られていることですが、ビタミンDは日光浴によって皮膚を通して体内で生成することも必要です。最近は美容などの観点から日焼けや紫外線を極端に嫌うためにビタミンD欠乏に陥る人もいますが、ビタミンDの生成に必要な日光浴の時間は夏ならたった15分で良いのです。

「ビタミンE」

ビタミンEというのは第一に、α、β、γ、δの4種類の「トコフェノール」という物質が知られており、これらはひまわり油、とうもろこし油、大豆油、なたね油といった植物由来の油には4種類全部が多量に含まれます。

あるいは、α、β、γ、δのそれぞれが日常よく目にする野菜、豆類、お茶、魚介類などに含まれますので、日本人の場合は通常の食生活において不足する懸念はあまりありません。

第二に、ビタミンEに属する成分で、もうひとつ「トコトリエノール」というものがあり、実は最近こちらのほうが注目されています。

【話題のスーパービタミンE トコエリエノール】

トコエリエノールは米ぬか、小麦の胚芽、あるいはパーム油(ギニアアブラヤシの実から取れる汎用的な植物油)などに含まれますがその量はいずれもごくわずかで、通常の食品のみで十分摂取することは困難と考えられています。

このため、パーム油からトコエリエノールだけを抽出、凝縮したサプリメントなどが開発、製造されています。

「ビタミンK」

お茶、海藻類や納豆など日本人にとっては馴染みのある食品に特に多く含まれるものがあります。ただし、それ以外の多くの食品からも摂取できるため、不足する心配はほとんどありません。

【その前にそもそもビタミンとは何か】