まぶたに黄色いできもの、高脂血症の症状かも。

生活習慣病はサイレントキラーと呼ばれるように、ほとんど自覚症状がありません。

しかし、高脂血症(最近は脂質異常症とも言われます)の分かりやすい症状として、まぶたにできる黄色い斑やできものがしばしば挙げられます。

関係があるのでしょうか?

多くは一過性の「ものもらい」

まぶたや眼の付近は皮膚が薄く敏感なので、ちょっとした刺激や化粧や付けまつ毛、コンタクトレンズの使用などによって炎症が起こったり、異常が生じたりすることがありますが、多くは一過性の症状で、適切な処置をすればほどなく治るものが多いです。

眼の周囲にできるものと言えば、まず思い浮かぶのはいわゆる「ものもらい」でしょう。

ものもらいの多くは麦粒腫と呼ばれるもので、これは黄色ブドウ球菌などごくありふれた雑菌の感染によって起きる一過性の症状です。免疫力が低下しているときなどに起こりやすく、痛みやかゆみなどが伴いますが点眼したり抗生物質のを飲めば程なく治まります。

また、霰粒腫というのもあります。霰粒腫の場合には感染ではなくまつ毛の生え際にあるマイボーム腺という皮脂を分泌する腺が詰まることによって起こります。

痛みがなく、通常は点眼と内服薬で治療しますが、患部が化膿してしまうこともあります。また、霰粒腫ができるときには同時にリンパ腺が腫れたりする症状ができることがあり、短期間のうちに再発する場合もあります。

あるいは小さな脂肪のかたまりがブツブツみたいに現れる稗粒腫というのもあります。

他にもアトピーやアレルギーから炎症などが起こり、腫れや隆起が起こることは珍しくありません。

眼瞼黄色腫に要注意

いずれにしても、多くは感染症か一時的な腫れ、炎症ですので少なくとも生活習慣病に直接関わる症状ではありません。

ただし、上まぶたや目のクマのところにできる黄色い結節は

「眼瞼黄色腫」

というもので、高脂血症の合併症である可能性がありますので注意が必要です。

眼瞼黄色腫の多くは左右両方にできます。まるで目頭のところに黄色い絵の具を塗ったように扁平なシミのように見えます。しかし、時にそれが隆起していわゆるミミズ腫れのような形状に発展してくることもあります。こうなると、高脂血症の可能性がより強く疑われます。

たまに、中年以上の男性で、まぶたや目の周りの皮膚が分厚く盛り上がっているような「おじさん顔」の人がいますよね?

あれ自体は眼瞼黄色腫ではありませんが、あんなイメージです。それが明らかに黄色かったら眼瞼黄色腫です。

黄色腫が出ても、必ずしも高脂血症ではない

……と言っても、眼瞼黄色腫があると必ず高脂血症だというわけでもありません。

黄色腫というのは単純に言うとコレステロールのかたまりです。皮膚の中に脂質と結合した細胞が増えて集まったもので、それだけでは特に痛みもなく、悪性のものではありません。

そして、眼瞼黄色腫はコレステロールが正常値の人でもできることがあります。

眼瞼黄色腫の患者さんのうち、高脂血症なのは1/3程度と見られます。

そして、高脂血症の結果起こる場合には、全身の血管に動脈硬化が進んでいることになりますので、まぶただけではなく多くの場合同時に肘、膝、足首といったいろいろな部位に同じような黄色いしこりができてくることが多いのです。

逆に言うと、高脂血症による黄色腫はどこの皮膚にもできますが、瞼や目の周りは皮膚が薄く、血管も密集しているところなので一番先に現れやすいということになります。

とりあえずは皮膚科へ

眼瞼黄色腫が出た場合、何かを受診すれば良いのかという話ですが、通常はまず皮膚科を受診するのがふつうです。

見た目で割とわかりやすい症状であるとはいえ、素人診断だと実際はどのような症状なのか明確でない可能性もあるからです。

皮膚科に行くと、とりあえず黄色種をレーザーなどで切除するとか、直接的な治療が受けられます。

眼瞼黄色腫ということで確定したら、コレステロール値などが気になる方はあらためて内科などを受診したほうが良いでしょう。

と言っても、それは眼瞼黄色腫を直接治療するためではなくて、高脂血症をはじめ、動脈硬化の原因となっている高血圧、糖尿病などの状態を診断してもらうためです。

黄色腫は、コレステロール値が400mg/dl以上になると急激に発生率が高まると言われています。

また、高脂血症の人は外科的な切除を行っても再発の可能性がきわめて高くなります。

この場合にはもはや眼瞼黄色腫よりもさらに重篤な、場合によっては生命にかかわるような合併症に対する備えのほうがより重要になってくるでしょう。

同じく動脈硬化の顕著な症状「耳たぶのしわ」にも注意

眼瞼黄色腫とともに、動脈硬化が疑われる分かりやすい症状として挙げられるものに、

「耳たぶに現れる特有のしわ」

があります。

もちろん、単純に老化した場合にもしわは出ますので高齢になればそれは避けられませんが、耳たぶにも毛細血管が密集しているので、動脈硬化による症状が出やすい部位になります。

その血行が悪くなると耳たぶには栄養が届かなくなり、縮んだようになってくっきりと濃いしわが出るのです。

高脂血症になったからと言って、ふだんは別に、日常生活に支障が出るような症状があるわけではありません。

たとえば、高脂血症になると体が疲れやすくなるなどと言われることもありますが、最近疲れやすくなったので高脂血症だというふうに判断するのは実際には困難でしょう。

仮に黄色種や、しわができたとしても……本人が気にしなければそれだけでは特に痛くもかゆくもないです。

しかし、動脈硬化は着実に進んでいるのです。