高血圧と糖尿病には因果関係がある?

私は最初、糖尿病のほうを気にしていたので、高血圧だと言われて直感的に

「糖尿病だから、高血圧になってきたのかな?」

と思いました。

でも、根拠は特にありません。きっとそうだろうと感じていただけです。

実際にところはどうなんでしょうか?

そして、高血圧と糖尿病が同時に起こった場合、どのような影響があるのでしょうか?

糖尿病だから高血圧になるのか?

糖尿病患者が同時に高血圧になる可能性は、糖尿病ではない人の約2倍だそうです。

血糖値が高いことが、結果的に血圧も押し上げることになるというのは正しいようです。

まず、糖尿病というのは、血液の中に含まれる糖分が多すぎる状態ということです。

要するに、糖分が濃いわけです。

濃いということは、浸透圧が高いということです。

細胞は細胞膜というのに覆われているわけですが、細胞膜はたとえば酸素とか、あるいは糖分やミネラルのような栄養分は通過させます。

しかし、それより大きな赤血球とか、その他の異物なんかは通しません。その性質によって栄養分が細胞に行き渡っているわけですね。

浸透圧というのは昔、理科で習った記憶が残っているかもしれませんが、浸透膜の両側にある液体の濃度が違うのを、同じ濃度にしようとする力のことです。

血液の糖分が濃いということは浸透圧が高いということですから、細胞の周囲にある間液あるいは細胞膜の内部のほうから血液のほうにそれだけ余計に水分が移動します。

これは結果的に血流の量を増やします。

血流が増えると、それを流す力も大きくなるので、血圧は上がるわけです。

同時に、血流の量が増えると、その分腎臓は多くの水分や余計な成分を吸収しなければなりません。

腎臓が働くにも、さらに血液や体液が動くことになるので血流は増えます。しかも腎臓に過剰な負担があると血圧の制御が追い付かなくなってきます。

これとは別に、すい臓からは血糖値を抑制するためにインスリンというホルモンが分泌されますが、インスリンは同時に腎臓を経由したナトリウムの体外への排出をも抑制します。

これによって血液中にはナトリウムも増えることになり、これも血液の濃度が上昇する要因になります。さらに細胞間液あるいは細胞内の水分を奪う結果になるのです。

また、糖尿病になると、そもそもインスリンの働きが鈍くなってきます。インスリンの機能に対する抵抗が付いてしまうためです。すると、血糖値を保とうとするためには余計に多くインスリンが放出されないといけなくなり、

「高インスリン血症」

を引き起こすことがあります。

高インスリン血症になると、

交感神経が常に優位になる

腎臓で塩分が排泄されにくくなる

血管壁の成長が促進される

といった症状から、血圧が高くなります。

以上のように、やはり確かに糖尿病の人は高血圧を引き起こしやすい傾向にあると言えます。

高血圧だと糖尿病になりやすいのか?

ところで、逆に言って、高血圧の人は糖尿病を併発しやすいと言えるでしょうか?

疫学的調査によると、高血圧の人が糖尿病になる率は、通常の血圧の人の3倍だったとのことです。

血圧というのは、血流によって血管の壁の内側からかかる圧力のことです。

ですから、血圧が上がる要因は

血流自体が多い

心臓が血液を押す力が強い

血管の壁の弾力が失われている

という、大きく分けると3つがあり得ることになります。

これは高血圧の原因であるとともに……。

心臓に負担が続くと、心肥大になりやすいです。

また、血管の壁の弾力が失われることを

「動脈硬化」

と言っているわけですよね?

ですから、これらの原因によって血圧が高く維持されるということ、つまり高血圧であるということは、それ自体がさらに心肥大、動脈硬化を促進する原因になります。

高血圧マジヤバい、です。

……ですが。

高血圧というのは、それだからといって直接に

「血糖値」

を上げる原因にはならないようです。

理屈で考えても、まああんまり関係ないような気がしますよね?

別に高血圧が、新たに糖分を作り出したりはしないですので。

つまり、

「糖尿病からの→ 高血圧」

は十分あり得ます。が、

「高血圧からの→ 糖尿病」

という流れは、直接には考えられません。

同じ因子が関係しているのか?

じゃあ、まったく関係ないかというとそうも言えません。

というのは、高血圧が直接に糖尿病を引き起こす因子にはなりませんが、高血圧になりやすい人は、糖尿病にもなりやすい、ということはできるからです。

つまり、同じ要因から、高血圧にもなるし、糖尿病にもなる……という傾向は明らかにあります。

2型糖尿病は、たいていの場合長い期間をかけて徐々に血糖値が高止まりするようになった結果、起こります。

遺伝や体質がまったく関係ないわけではありませんが、基本的にはまさに生活習慣病です。

ちなみに、1型糖尿病というのは、主に遺伝や障害などから、そもそもインスリンの分泌に難がある場合のもので、むしろ若いうちに発症することも多く、生活習慣によるものとは言えません。

一般に、ふつうの中高年なんかが気にしているのは、2型糖尿病です。

で、2型糖尿病の原因を大まかに挙げるとすれば

加齢

食生活の乱れ

肥満

不規則な生活

ストレス

運動不足

喫煙

……といったものがあります。

一方で、高血圧の原因と言えば、やはり

加齢

塩分の過剰

肥満

糖尿病あるいは高血糖

不規則な生活

ストレス

運動不足

喫煙

……ってことになります。

ちなみに、私自身のことを考えても分かりますが……。

若いころから暴飲暴食、カロリーなんてぜんぜん気にしていないっていう食生活を送っている人が

「塩分だけは控えよう……体に悪いから」

なんてことを考えるはずもありません。

そもそも糖尿病も高血圧も、同じような生活習慣によって発症する可能性が高いのです。

なので、糖尿病になりやすい生活は、そのまま高血圧の原因にもなるわけです。

そういう生活を送っていれば、糖尿病にもなれば高血圧にもなる。放置していれば両方なるのは時間の問題ってことですよね?

高血圧のほうがショックだった。

糖尿病は前からうすうす意識していたのですが、私は今まで血圧というものについてはまったく気にしたこともなければ、それがいったい何に悪いのかもほとんど考えたこともありませんでした。

若い頃はよく

「低血圧だから朝弱いのよ~」

と言ってる女子がいました。

「お前がルーズなだけだろ!」

と、若い頃は思っていましたが、今になって見ると

「うっそー。低血圧、めちゃめちゃ羨ましいじゃん~」

……すいません、正直、血圧についてはそんな程度の関心しかありませんでした。

中高年に差し掛かると、たとえばトクホのちょっと値段の高いお茶とか?

CMなどでさかんに血圧のことを言ってますが、私は

「血圧が高いからなんなの?」

「血圧を、お茶で下げて意味あるの?」

……などと、ひとりうそぶいて、まわりのオッサンたち(いつの間にか同世代なんですけど……)の会話を生温い目で見ておりました。

そんなわけで、今回私は、糖尿病と診断されたことよりも……。

「高血圧を併発している!」

という事実のほうがショックだったんですよ。

気持ち的には。

ホンっと、じわ~っとショックです。

ダブルだと何が問題?

さて、結果はもうあきらめるとして、結局は、高血圧と糖尿病が重なった場合、何が問題なんでしょう?

調べてみると、つまりは最も重大な問題は

動脈硬化

という結論に至ります。

やっぱりね……。

ずいぶん前からこの言葉

「動脈硬化」

という言葉は聞いてはいましたが。

やはり実際に自分の身に起こると考え始めると、動脈硬化ってけっこう怖いものなんですね?

高血圧と糖尿病は、ともに動脈硬化の主原因。

動脈硬化の原因として挙げられるものはもちろん他にもたくさんあると言えばあるわけですが……やはり特に重大な影響があるのは

「高血圧」

です。そして

「糖尿病」

のほうは、それ自体が動脈硬化の大きな因子であると同時に、高血圧を加速する因子にもなっていると。

……何というか、ある意味ゴールデンコンビですね。

まるで長嶋茂雄と王貞治みたいですよね?

このコンビは互いの長所を引き出しながらどんどん点を取っていくんです。

長嶋なんて自分も点取るし、王にもつなぐという……天才です。

……いや、互いに悪影響を与えながら動脈硬化を加速度的に進行させていくのです。

動脈硬化

私と同じように、

「糖尿?」

「血圧?」

「だから何なの?」

……というふうに今まで思って生きてきたという中高年の方は、むしろ問題意識を

「動脈硬化」

に集約したほうがいいかもしれません。

つまりは、動脈硬化を止める生活習慣!

今さら健康になろうとしている中高年のみなさん!

こちらが、喫緊のテーマとなります。

すなわち、

「我々は、いかにして動脈硬化を阻止し得るのか?」